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ボードゲームレビュー
1655教皇選出 ☆☆☆☆☆☆☆
時は1655年,枢機卿として新たな教皇の座を目指すべく票集めに奔走することに。多くの枢機卿の支持を集め,時には政治的な力も動員して見事,教皇となるのは誰か。
ゲームの基本は,宝石を使った競りゲームです。手元には4種類の宝石と,若干のお金。お金は競りに使うのではなく,最後に持ち金に応じて票になるものです。場の中央には4種類のカードを用意。3人プレーなので,このうち3枚が毎回競りで取られます。
さらに,オーダーカードとして,目標を達成すると最後に2票上積みされるカードもランダムで2枚。途中で1枚捨て,1枚だけ目標を達成できるように頑張ります。結構きわどい戦いになるので,この2票は大きい。
競りの対象カードは,右から枢機卿。中央は政治(様々効果があるものや他の枢機卿など),左はアクション(競りで有利にできるものや派閥のリーダーなど),上の左がカメルレンゴ(唯一宝石が手に入り,競りで同率の時勝つ)です。悩ましい時間の始まりです。
競りは同時オープンの握り競り方式。手持ちの宝石を握り(0でも),まずは宝石の強さに関係なく数勝負。たくさん握った者から欲しいカードをゲット。宝石が同数なら宝石の順位(ダイヤ,ルビー,サファイア,コハク)で勝負,それも同じならカメルレンゴから時計回りに。今回,Sが3個でトップ,自分とMがコハク2個で同率ですが,Mがカメルレンゴを持っているので2番目,自分は最後・・・。握った宝石をストックに戻しカードを取ります。
1回目は最後でしたが枢機卿をゲット,2回目は2番目でルイ14世をゲット。この後こいつをうまく集めることができて優位に進むことに。ルイ14世は持っている枚数で票数が伸びるもの,例えば4枚取れば6票になるのです。
その後もう1枚枢機卿を得たものの,長老の死とかで最年長の自分の一人が死に,買収とかで裏切られて行ってしまい,自分を支持する枢機卿がいなくなってしまいました。かろうじてルイ14世2枚で今は2票だけということに。
だいたい中盤で,第一回教皇選挙が行われるも決まらずと言う設定で黒煙のカードがめくられ,持っている枢機卿からの収入を得て,オーダーカードの1枚を捨てることになります。ほとんど枢機卿もいないのに,このカードを残すことに。後半に賭けましょう。
後半はダイヤモンドも投入して,欲しいカードを確実にゲットしに行きます。ダイアモンドは最初に4個あるものの,使い切りで補充するすべがありません。カメルレンゴではルビー,サファイア,コハクだけもらえます。ここも思い切った競りでルイ14世の4枚目を確保。これだけで6票分。
その後,オーダーカードを達成するための枢機卿や派閥のリーダーも手に入れ,ルイ14世も5枚確保するという最高の結果でゲーム終了。果たして選出なるか?
お金を有利に票にできる政治家はいなかったので15金で1票でしたが,30金ちょいで2票,オーダーカードの2票も獲得し合計17票で見事,次期教皇として頂点に立ったのでした。
手軽な競りを中心として,必要なカードを確保し得点(=票数)を稼ぐという分かりやすく,取り組みやすい好ゲームです。競りは,宝石0〜3個までと決まっており,競りが苦手な自分でもだいたい場に合った相場で勝負できます。また,確実に欲しい時以外は,ある程度様子見で負けても,カードは必ず手に入りますし(又は,カメルレンゴとして宝石が補充できる),どのカードも必ず役には立つので,最後までいい勝負ができます。今回自分が独占できたようなルイ14世や最高5金で1票にしてしまうマザランなどの政治的な後ろ盾や枢機卿同士の組み合わせなど,得点の方法も結構多彩なので,最終結果まで予断を許さない戦いが楽しめます。お勧めですが,あまり出回っていないようですね・・・。
※2012.8.27
1655:教皇選出(1655-Habemus Papam) ゲームデータ
○デザイン Christoph Bauer
○発 表 2010年
○メーカー DDD Verlag GmbH
○3〜4人用 約30分
○難易度 中ぐらい
○ゲームストア・バネストで購入