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ボードゲームレビュー
エアラインズ・ヨーロッパ ☆☆☆☆☆☆☆☆
ヨーロッパで航空網を広げ,航空会社の価値を高めよう。株式の高さに応じて勝利点が変わります。その航空会社に狙いを定めようか?道筋はたくさんあります。
ヨーロッパの地図に航空路線網が描かれたボード。ここに航空機を配置して,航空会社のライセンスを獲得し,株価を高めます。手持ちは,公開株2枚と手札の株6枚,資金は8ミリオンユーロ。
手番にやることは,その1,航空会社の拠点の都市から航空網を広げること。その色の飛行機を空路に置いて,資金を支払います。そして,その色の会社の株の価値を資金と同じ数値だけ高めます。また,飛行機を置くと新たに株券を1枚取得できます。3ミリオンユーロで白の会社モスクワからの路線ライセンスを購入。
そして新たな株券を1枚取得,自分の前に置いてあるのは最初に公開した初期配置の株。手札の株券も公開しないと意味がありませんが,なんかばらばらです。また,ボードの外周の株式トラックの白を3つ分高めます。株券の数が少ない色は最初から少し高い位置にあります。
その2,手札の株を公開すること。違う会社の株2枚か,同じ会社の株なら何枚でも公開できて,1枚あたり2ミリオンユーロの収入になります。自分の前に公開している株券の数が,決算時の得点計算に大きく影響してきます。オレンジと緑の株を公開して4ミリオンユーロ。お金は結構きついのでタイミング良く公開して稼ぎたい。
各地に色とりどりの飛行機が置かれ,広がってきました。青と赤はまだ全くですが,白が少し先行しています。一部の都市にある長方形のカードは接続ボーナス。そこまで指定の色の路線がつながると,大きく株式を上げることができます。
決算は3回,山札の株券を捲っていくとこのカードが突然表れます。このタイミングも考えないといけません。決算は,会社毎の株式の価値に応じて,その株券を公開している枚数の多いプレーヤーから高い得点が入ります。つまり,自分が飛行機をたくさん置いて,価値を高めた会社の株をたくさん公開して高得点を狙いたいわけです。
ゲーム内での株券の数はそれぞれ決まっているので,数が少ない会社の株を半数以上所持し,その会社の航空網を伸ばせばとても強くなります。時には,他のプレーヤーに邪魔されて航空網をブロックされる恐れもあるのですが,3人プレーだとなかなかそこまでは至りません。今回はほぼ全ての航空会社の株を公開しました。トップになれるのは一部だけですが,二位三位でも得点になるので,相手の枚数とのにらみ合いです。
その後,緑の会社の株を優位に持つことができ,緑の航空網をできる限り伸ばすようにしていました。緑のマーカーはかなり向こうの方に,灰色もありますが・・・。白は互いに持ち合ったのでそこそこの上がり方で止まっています。かなりがんばったのですが,結局,最終決算で対面にわずかの差で敗退。うーーん。
リメイク作だということですが,これはかなりおもしろかったです。自分が強力にてこ入れする路線・会社はどれにするか,少ない枚数の会社が独占されないように,相手の動向も気にしながらの悩ましい駆け引きが場を盛り上げます。今回ゲーム中では書いていませんが,特殊なアバカス社株式の差が最後の勝敗に結びついてしまったようです。アバカス社の株は手持ちの株券と交換することのみで入手できる株券ですが,決算時の得点(特に3回目)が非常に大きく,ここで1位になると相当有利です。手持ちの株との交換なので,どれを破棄できるか考えてもう少し積極的に取りにいくべきでした。やはり会社を広げすぎるのはよくないですね。毎回,いろいろな道筋で考えて楽しむことができる優れた作品です。
※2011.8.24
エアラインズ・ヨーロッパ(Airlines Europe) ゲームデータ
○デザイン Alan R. Moon
○発 表 2011年
○メーカー ABACUSSPIEL
○2〜5人用 約75分
○難易度 少し高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約26ユーロ)