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ボードゲームレビュー
カンタベリーへの道 ☆☆☆☆☆☆☆
カンタベリーへ向かう巡礼者を相手に,大罪を犯させ,偽物の免罪符を売りつけ,背徳の商売を最も成功させるのは?何とも罪深き感じのテーマですが,どうでしょうか?
3人でのプレー。巡礼者やカードなどを準備。最初は手札として罪カードを5枚持ちます。駒は堕落キューブ。この数が自分の堕落の深さとなり大きなもうけの元になります(いいのか?)。手番にすることは,手札を1枚プレーすること。罪カードで巡礼者に罪を犯させ,免罪符カードを巡礼者に売りつけ,聖遺物カードで特殊効果を使います。
最初は全て罪カード。罪は7つの大罪に分かれていて,巡礼者にプレイして罪を犯させます。カードをプレイすると堕落キューブをボードの中央にある罪サークルに置いていきます。いち早く7つの大罪を犯させると大きな現金ボーナスが入るのです。
手前の巡礼者にはすでに2枚の特別な破滅カードが置かれていて,これはこの巡礼者が自ら好んで犯したことになっています。さらに自分が色欲のカードをプレイ。罪サークルにキューブも置きます。巡礼者は罪を7つ犯すと,耐えきれずに死んでしまうのです。
これは免罪符カード。これをプレイすると該当の巡礼者のその罪が許されます。カードの枚数の二乗分のお金をゲットできます。ここでは,破滅カードも色欲として数えられるので3×3で9金ゲット。最初は調子よかったのですがねぇ・・・。
免罪符を売るとその罪が裏返しになり,堕落キューブを巡礼者の上に置いておきます。このキューブの数も後でのボーナスに関係します。もちろん多いほどいいというわけ。
罪サークルの方はなかなか手札に欲しい罪カードが入らず,7つ全てにキューブを置くのが苦しい展開。少しでも巡礼者のキューブで何とかしようと,たった1金しか手に入らないのに免罪符を売ってしょぼい稼ぎをしているものの,厳しかったです。
聖遺物のカードはそれぞれ特殊効果が書かれていて手番に使います。効果が高そうなものから,それほどでも,と思ってしまうものまで様々。ここぞという場面でうまく使うことができませんでした。
巡礼者はそこに7枚目のカードが置かれると死んでしまいます。死亡させたプレーヤーは追加手番のタイルがもらえてしまいます。またその巡礼者に最も免罪符を売りつけたプレーヤーのキューブが1個カンタベリーへの道に置かれ,ボーナスがもらえます。残ったキューブで最後にもボーナスがあります。こうして5人目が死亡するとゲーム終了となります。
結局最後,黒が追加手番も使って5人目の巡礼者を死亡させ,ゲーム終了。圧倒的に有利に進められ,圧勝されました。自分は清く正しく生きているので最下位ということに・・・。
実に背徳的なテーマで,悪の商人として振る舞っていくのは,まさに大人のゲームです。罪を犯させ,そのくせ免罪符を売りつけ,あげくには罪の重さで死亡させてしまうという流れは,まさに中世の免罪符売りになったようでゲームの世界観に浸ることができます。ただ,テーマの重さの割にはゲームはあっさりとしており,結構何もできずに終わってしまう感じもあります。今回2度目のプレーでしたが,1度目よりも何もできずに負けてしまいました(1度目は1点差の2位)。カード運の巡り合わせをどの巡礼者にどう割り当てていくか,高額なボーナスは何を狙うか(すべてを狙うのはまず無理),なかなか悩ましさもあって良いのですが,もう少し続けたいというところで終わってしまうのが,ちょうどいいのか?消化不良か?でも,好きな作品の一つです。あ,あとこのゲーム2・3人用という珍しい対応人数ですので確認まで・・・。
※2012.8.31
カンタベリーへの道(The Road To Canterbury) ゲームデータ
○デザイン Alf Seegert
○発 表 2011年
○メーカー Gryphon Games
○2〜3人用 約45分
○難易度 中ぐらい
○ゲームストア・バネストで購入