ボードゲームレビュー


ケイラス ☆☆☆☆☆☆☆☆

 国王の城を建設したり,周辺の街を発展させたりして,名声点と国王の恩賞を獲得します。城が完成するまでに最も多くの名声点を獲得できるのは?ワーカープレイスメントの黎明期の傑作ボードゲームを久々にプレイ。

ケイラス

 5人でのプレー。国王の城をスタートして,特別な建物が6個,そして橋を渡ると公共の建物がランダムに6枚並び,その後は基本の建物があって,後はまだ発展していない土地が続きます。それぞれの場所に割り当てられたアクションがあり,手番にはワーカー駒を配置するだけです。

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 特別な建物は,手番順を決めたり,単純に収入を得たりといった他とはちょっと違う効果,ピンクの公共の建物以降は,概ね資源を手に入れたり,売買したり,建築したりできるような建物があり,激しい取り合い合戦を呈します。

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 はっきり言って早い者勝ちなので,手番順を決めるマスは重要。ここで,3人までの手番順を決めることができます。また,駒を置くのに毎回通常1金必要。お金は結構きつめです。また,誰かがパスするとどんどん置くためのコストが高くなるという,どこでパスするか等といったことも考える要素で結構複雑です。

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 何もない土地には,個人所有の建物を建てることができます。必要なコストを払って立てたら自分の色の家駒を置き所有者に。名声点も入ります。この家は他のプレーヤーも使うことができますが,他のプレーヤーが使うたびに所有者に1名声点入るので,自分の建物を使ってもらえるようになるのも必要です。このあたりも互いの駆け引きを生んでいておもしろところです。

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 お城はというと,3段階で建設するようになっており,建設に貢献した度合いで得点や恩賞がもらえます。ここの進み具合もゲームの進行に大きく関係。全員が置きたいだけ駒を置いてパスをすると,特別な建物か順番に効果を適用。この順番もくせ者で,手に入る資源と建築の順番などをしっかり把握しておかないといけません。お城の建設は一番最後にやってきます。

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 互いの絡みを大きくしているのが,荘官の駒(薄い方の白い駒),こいつがいる場所までしか建物の効果は発生しません。こいつより先にワーカー駒を置いてあってもタダの無駄になってしまいます。こいつの位置は,特別な建物の一つと,橋を渡るときにパスした順でコストを払って最大3マス移動できるので,荘官をどこに置きたいかで,互いの駆け引きを生んでいて面白い。あまり前の方の建物に自分だけ駒を置いていても大抵うまく使えないことが多いですね。大きい方の白い駒は執行官で,これの位置で業績計算が3回(又は城の建設進度で3回)あり,3回目の計算でゲーム終了。そのタイミングもプレーヤーの思惑が絡んでくるのも悩ましいところです。

ケイラス

 建物は木造・石造・邸宅・名声とあって,木造より石造の方が生産力などが高く,邸宅は木造・石造の建物を建て替え,生産などの効果をなくして毎ラウンド1金収入。さらに,名声は邸宅を建て替え,効果はないものの最後に大きな名声点が入る強力な建物。名声建築物には貴重な金が必要で,簡単には建ちませんが,Shuhくんや自分が狙っていたものの,結局建てることができずに終わってしまいました。

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 後半,Shugが城への建設へ猛然と仕掛け,得点を加算。Shuhくんの名声建築物の建築を防ぎながら,ゲーム終了を早め,そのままリードを保っての勝利でした。

 実に久々にプレイしてみましたが,やはりさすがの面白さです。最近のワーカープレイスメントにはあまり見かけない,他との絡みというか,駆け引きがあっていいですし,得点計算のタイミングも,ある程度コントロールできるところなど,実によくできています。どんどん街は発展していき,できることやもらえる資源の量は増えてはいくものの,全体としてお金も資源もきつめでうまく使いこなさないといけません。今回5人でのプレーだったので,手番順も非常に大きく,その取り合いも熾烈でした。はっきり言って最終手番が続くようだと,全く効果的な戦いはできません。駒を置くだけとはいえ,その一つ一つが悩ましく,自分たちのようなサクサクプレーメンバーでも2時間クラスなので,長考のメンバーだともっと長時間かかりそうです。少し重いゲームになれてきたら是非ともプレーして欲しい一作です。
※2016.7.14

ケイラス(Caylus) ゲームデータ

ケイラス
○デザイン William Attia
○発  表 2005年
○メーカー Ystari Games
○2〜5人用 約120分
○難易度  やや重め
○オークションで購入