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ボードゲームレビュー
鼠と密告者 ☆☆☆☆☆☆☆
スマートでエレガントな盗賊団の頭となり,数々の仕事をこなして富を築きます。ただし,相手も同様,時には警察に密告して裏をかいたりかかれたり・・・。うまく切り抜けて闇のビジネスを成功させるのはだれ?
5人でのプレイ。5人の頭の知恵比べです。盗みの会場となるのは全部で8カ所。A〜Hの場所での今回の獲物が出ています。どこを狙い,どこに罠を仕掛けるかのだまし合いのスタート。
頭のカードの左に今回盗みに行く場所のカードを,上に今回密告する場所のカードを伏せて置きます。
最初に盗みに行く場所のカードをオープンしてそれぞれA〜Hの場所の下に並べます。この段階で誰かとバッティングしていると,完全な盗みはもうできません。
その後,密告する場所のカードをオープンし,場所カードの上に並べます。これで今回の盗みの成否がはっきりするのです。下に1枚しかない場合は見事成功!該当のお宝をごっそりゲット。しかし,上に置かれていると,警察に密告されたことになり,何も取れずに逃げ帰るのです。Aの隠し財産カード3枚を狙いにいったら,何と緑が密告して失敗。自分が罠を仕掛けたFには誰も来ず・・・。
そしてラウンド2!またしても罠に引っかかる自分・・・。失敗の連続では闇の世界で生きていけません。また,Fのように盗みがダブると,そもそもの獲物は盗めず,代わりに隠し財産カード1枚だけ取って帰ることになります。
数ラウンド進んでもこの状態。どうもうまく引っかかることが多く狙いを変えないといけないような。ところで,最終的な得点は,4種類の獲物の数で何位になるかです。5人ゲームの場合は,青の獲物はトップだけ,緑は1位と2位に,赤は3位まで,黄は4位までそれぞれ3点ずつ入るようになっています。ですから赤や黄は少し下位でも得点できるのに対し,青や緑は上位にいなくてはならないので,どの色をどう狙っていくか,互いの読みの戦いです。まともに狙っていけば当然邪魔されるわけで・・・。
最初の方の出遅れが響いてどの色も数的に上位に出れない状況。やっとAを獲得し,赤の宝石を5つゲットしましたが。ここで,獲物カードなくなり,ゲーム終了。それぞれの獲物を数え(隠し財産カードにも各色の獲物が1個ずつ描かれています)ます。
結局,黄色の点数しか入らず3点で同点最下位。トップは青で4色で得点し12点を確保。闇の帝王になりました。自分は哀れ,裏ビジネスから葬り去られたのでした。
今回は子どもたちとプレイしましたが,子どもでも,互いの読み合いが熱く盛り上がり,バッティング・ゲームのおもしろさが短時間で堪能できる楽しい作品です。人の罠をまんまと出し抜いて獲物をゲットした時と仕掛けた罠にはまってくれた時の快感と,逆にはまってしまったときの落胆感に,どきどきわくわくしながらの一手一手が悩ましいです。プレイ人数によって,得点方法も細かく分けられており,何人でも楽しめるようにできています。短時間でプレイできるのも手軽でいいですね。子どもを含めたファミリーゲームに最適です。
※2012.4.11
鼠と密告者(Coup Royal) ゲームデータ
○デザイン Vlaada Chvátil
○発 表 2010年
○メーカー Czech Games Edition
○2〜5人用 約20分
○難易度 やや軽め
○ドイツ・アマゾンで購入(約10ユーロ)