こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
ゴッドファーザー ☆☆☆☆☆☆☆☆
マンハッタンを牛耳るマフィアの一味,4つのマフィアファミリーの1つとなり,他のファミリーとの壮絶な抗争を勝ち抜き,支配権を確立しよう。敵をなぎ倒し,必要な力を得た上で,最も稼いだファミリーこそ真のゴッドファーザーたるのです。
真っ黒な箱に,黒を基調とした超渋いゲームボード,まさに大人のための大人のボドゲーです。この血なまぐさい抗争にお子様は似合いません。ゲームの最初はマンハッタンを区切る4つのエリアで仲良く3件ずつの危ない商売をしていますが,それも最初だけ。激しい抗争がスタートします。
ゲームの流れは,@イベントカードを捲りイベントが起こるA車が動くB各プレーヤがダイスでアクションを決めるで,7ラウンド後に決着します。イベントは,良いものと良くないことがあります。収入が得られるイベントあったり,ファミリーのメンバーが刑務所送りになったり…。カードには赤色(信用度)か灰色(影響力)の印がついており,4つめが出た色の方を,自分のチャートで最後まで伸ばしていないと,勝利するための必要条件を満たさないのです。いくら金を持っていてもそんな奴は認められず散っていくのです。
カードには数字もついており,その分車が進みます。この車実はとても大切!車が止まっているとその地区の商売はいろいろな敵の妨害から守ってくれるのです。乗っ取りやFBIからも守ってくれます(一部例外もありますが)。
次がこのゲームのメインのダイスアクション!4色のダイスを振ります。まず目だけで,1列目に置きます。ボード上の目と一致する商売すべて(敵も味方も)に収入が入ります。なるべく自分だけ得したいところですが,こんな時に限って,自分の商売の目だけ出なかったりするものです…。残った3個を振ります。2列目は色でアクションの内容が決まり,目の数で回数などが決まります。八百長で稼いだり,権力のポイントを上げたりなど。3列目も同様で,乗っ取りやFBIによる逮捕など,それぞれ自分だけでなくボード上いろいろなところに影響します。残ったダイスは4列目へ,色だけで置きます。新たなファミリーを商売につけたり,刑務所から保釈させたりなど,とにかく,ここでの4つのダイスの配置がとても悩ましく楽しい時間です。当然自分にいかに有利にするか考えていくわけですが,時に自分にも災いがふりかかったり,相手にうまい汁をすわれたりと。
激しい抗争の末,何人かはハドソン川に浮かび…(浮かんだ連中を引き戻してくれる素晴らしき友人チップなるものもあります^^)
敵にはめられて刑務所に送られ…(保釈できるアクションもあり),左のチップがありがたい友人チップ(アクションで入手)。知らないうちに街の勢力地図は変わり…最初と比べて,争いの末空いてしまった商売も見えます。また,所有者が変わった商売もあります。
もちろん,多々細かいルールはありますが,激しい7ラウンドの抗争の末,どのファミリーも勝利条件は達成(赤色のチャートを最後まで伸ばす)し,稼ぎを比べて決着。6万ドル以上稼いだ赤がマンハッタンを制したのでした。他のファミリーがハドソン川の藻屑になったのは言うまでもない・・・
これは今までにない雰囲気のボードゲームです。イベントカードで軽くジャブをかまし(出てくる順番によって影響度がかなり違います),車の移動というエッセンスも効いています。そして各自が行うダイスアクション。このダイスをどこに置いていくのか,最初に振った目で4列決めるのではなく,1列ごとに振り直すのがドキドキ感があります。何とか我がファミリーが力を伸ばせるようにと,悩みながらダイスを置くのが楽しいですね。そして,4列ある自分の発展チャートも適切に伸ばして,付加的に援助となるアクションを取り入れていきます。敵コマがハドソン川に沈んだり,刑務所送りになったりしますが,こういうゲームだからこそ,あまりギスギスしないでわいわいと楽しく騒いでプレイしたいですね。そういう意味でも良識ある大人のゲーム(ゲーム内容とは正反対の)??
※2011.8
ゴッドファーザー(Der Pate) ゲームデータ
○デザイン Michael Rieneck
○発 表 2005年
○メーカー Kosmos
○2〜4人用 約60分
○難易度 中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約20ユーロ)