ボードゲームレビュー


ディスク・ワールド ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

ディスクワールドで最も大きく,最も臭く,そしてもっとも“面白い”都市,アンク・モルポークへようこそ。さあ,密かに決めた人物となってこの都市の支配権を奪っていくのは誰でしょうか?

ディスク・ワールド

古地図っぽく,趣のあるアンク・モルポークの地図。12の地区に分かれています。各自,自分の手下駒や建物駒などを準備。そしてゲームの目的となる人物をランダムで決めるのです。

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アンク・モルポークの支配をもくろむ人物は全部で7人,そのうち1人が密かに割り当てられます。その人物ごとにゲームの勝利条件が違うのです。このラスト卿は,5区画以上を支配すること(3人プレー)が目的。各地区での最大多数を5つ確保することです。他にもいろいろ条件があり,秘密にすると同時に,相手の条件も明らかにしていかないと勝てません。

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ゲームのプレイは,比較的簡単です。手札から1枚プレイするだけです。カードに書かれているアイコンを左から順番に進めるだけですが,手下駒の配置や建物の建築,カードテキストの効果の発動などを上手に使って,自分の目的達成と相手の目的の邪魔をしていきます。一応手札は5枚までですが,何かの都合で増えても減らされることはありません。補充時に5枚までとなります。

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これはまず3$もらい,その後手下駒1個配置できるというカード。手下駒は,自分の駒がある地区か隣接する地区に置けます。ある地区で手下駒と建物駒の合計数がトップになるとその地区を支配したことになります。自分はそれを5地区達成するのが勝利条件なわけです。

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これは建物1個配置して,5$もらえるカード。建物は自分の手下駒があって,そこにトラブルマーカーがないときに置けます。各地区には全体で1個しか建物を置けません。建物を置くと,その地区のカードがもらえ,その特典を毎ターン使うことができ,これは結構役に立ちます。この6のDas Nilpferdのカードは,毎ターン2$もらえるというおいしいカード。

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時々☆マークのイベントを起こすアイコンも登場します。イベントだけは強制的に起こされ,たいてい良くない影響を与えます。このときはダイスの出目に対応する地区にトロールが出現(ってどんな街だぁ?)。でもトロールは単なる中立のお邪魔駒的な扱いです。ですから8は,トロールが2個の支配力があるわけで,他の色は3個以上ないと支配権がないことになります。

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中盤,都市はこんな様相。だんだん他のプレーヤーの勝利条件も推理できるようになってきます。このあたりでたぶん赤はトラブルマーカーの数,青は50$以上の確保だと思ったのですが,青はどうも違っていて,自分と同じ支配権の確保のようだとだんだん分かってきました。

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相手の勝利条件が分かってくると,互いに足の引っ張り合いの応酬と化します。勝利は自分の手番を始める前に達成していることが条件ですから,何としても阻止するようなアクションを考えます。赤も何度もトラブルマーカー8個になりながら,直前で減らされ,自分や青もいったんは5地域支配するものの,やはり減らされと,激しい攻防が続きました。

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そして,一進一退の攻防を続けながら,プレイカードが底をつきゲーム終了。この場合,プレイカードがなくなることが勝利条件の人物がいなければ得点での勝負です。手下駒や建物・お金の資金を得点に換算して勝負!都市のカードによって,毎ターン収入を得た自分が勝利を収めました。

何種類かのカードがあって,テキストも多いのでとっつきは悪いですが,ゲームの進め方自体は難しくありません。勝利条件目指してプレイカードをプレイしていくだけなので,カードアイコンの効果などが分かってくると,俄然おもしろくなり,先を見通しながらのプレイが楽しくできます。自分の勝利条件を目指すはもちろんですが,中盤以降相手の条件も何となく分かってくるので,まさに今回のゲームのような激しいやりとりが期待できます。ぎりぎりまで隠して勝ってしまうのはなかなか難しいのではないでしょうか。そうなると,カードがなくなるまで続いたら勝利する人物になったほうが強いようにも感じるし,いろいろな条件で挑戦してみたいですね。
※2012.8.20

ディスク・ワールド(Discworld:Ankh-Morpork) ゲームデータ

ディスク・ワールド
○デザイン Martin Wallace
○発  表 2011年
○メーカー Kosmos
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約25ユーロ)