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ボードゲームレビュー
ドラゴンイヤー ☆☆☆☆☆☆☆☆
ドラゴン・イヤー(辰年)の1年間に起こるいろいろな災いをうまいこと切り抜けて,中国の有力な太子としての地位を築いていこう。
初期配置。外周は得点トラックで,内周は手番順のトラック。一番上に見えるのが,1年間毎月起こる様々なイベントや災厄,最初の2ヶ月は平和と決まっていて,残りは毎回ランダムで決まります。下にずらりと並んでいるのが,プレーヤーたる太子を支える有能なみなさん,ゲームの始めに2人指名して宮殿に住まわせます。
最初の二人は,お金を稼ぐ税務屋さんと米を作る農民,1年の災厄では,3月に貢ぎ物,4月に干ばつでお金と米が必要です。
毎月やることは同じで,まずはアクション。手番順に自分のドラゴンをやりたいアクションのタイルのグループに置きます。後手の人が同じグループに置くときは3元必要。米や花火を入手したり,宮殿の建築などができます。自分の宮殿にアクションの関わりのある人物がいると,おまけがもらえます。毎月起こる災厄やイベントを考慮しながらどのアクションをするか,かなり悩むところその1です。
アクションをしたら,次は新たな人物の雇用です。雇用したら宮殿に住まわせます。手札を使って雇用しますが,手札は使い切り。何でも使えるジョーカーも2枚ありますが,よく考えて雇用しないと,後半大変なことになったりします。これも,迫ってくる災厄などに備えて必要な人材を補強したいところ。しかし,宮殿に入る人数も限られているし,この雇用の数字が手番順に影響もするし,かなり悩むところその2です。
そして,イベントや災厄が起こります。干ばつでは必要な米が払えないと人が死に,国王への貢ぎ物では,お金が払えないと人が死に,疫病の流行では医者の薬がないと人が死に,モンゴルの襲来では一番弱いところの人が死に…と,ほんとに犠牲が出すぎです!なかなか全てを防ぐのは難しいので,どこかは犠牲も覚悟で乗り切ります。唯一祭りだけは,持っている花火の数で得点が入ります。また,宮殿も人がいなくなると朽ちていきます。 もう大変!
毎月,宮殿の数などでの得点やアクション等での追加点で勝利点を加算し,1年の終わりには,雇用した人物の数や仏像の数から計算する得点などをいろいろ合計し,最も点数が高い人が勝ちです。2回目のこのゲーム,1回目は大きな失敗をしていまいましたが,今回はきっちり計算しながら慎重にやって,いけるかなと思っていましが,後半僅差でリードしていた赤が最後の得点でもうまく加算し,及ばず2位で終わりました。
これはなかなかおもしろいゲームです。いろいろな物が本当にぎりぎりで,取捨選択を迫られる場面も多く,頭を悩ませることしきりです。1年間の災厄・イベントはあらかじめ分かるので,当然それを見通しながら進めますが,お金も資源もキツキツの中,攻めどころをいつも考えていなくてはなりません。長考はしないように気をつければ,集中した濃密な時間を楽しむことができる優れた作品であることは間違いありません。
※2011.6
ドラゴン・イヤー(Im Jahr des Drachen) ゲームデータ
○デザイン Stefan Feld
○発 表 2007年
○メーカー Alea
○2〜5人用 約75分
○難易度 少し高い
○ドイツ・アマゾンで購入(約20ユーロ)