ボードゲームレビュー


ドラム・ロール ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

サーカスの団長となって,自分のサーカス軍団を運営しましょう。曲芸師となるのではなく,サーカス団を運営しして立派な興行を行うことが目的なのです。

ドラム・ロール

目を引く,美麗なボードやカードのデザイン。これだけでもワクワクしますが,ゲーム自体は資金カツカツの運営ゲームです。システム的にはワーカーを置いてアクションをしていくので,難しくはありませんが,細かいところまで気を配らなくてはなりません。3つのアクション用の駒を持ち,初期の資源駒2個とサーカス団として2名を雇用,直ぐにこの2名分の資金も支払います。15金から8金取られ早くも7金のみに。ヨーロッパの3カ所を回って3回のステージをこなします。

ドラム・ロール ドラム・ロール

アクション用駒をボードのスペースに置いて予約していきます。右の列が曲芸師にショーをさせるために必要な資源(練習や道具,衣装などの意味)を獲得する場,中央は,チケットを売って資金を得たり,曲芸師や職人の雇用,投資によって利益を得る場です。それぞれ置ける制限があります。まずは,白の練習駒と資金,新たな曲芸師の雇用を計画。雇用できる曲芸師や職員はボードの横に並んでいます。ターンを重ねる毎に契約金が安くなるしくみになっています。

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アクション用駒のアクションをして新たに火を食う男を雇用。アクションの後,ショーをするための資源駒を2個まで曲芸師のカード上に置いていきます。これがないと,いざショーをするときにショーができず解雇と違約金を払う羽目になってしまうのです。曲芸師には種類が5種類あり,それぞれショーの後の効果が違っており,どんな曲芸師を雇っていくかも結構重要ですが,今回,お金になる軽業師がなかなか雇用できず苦しい展開になってしまいました。今自分のサーカスにいるのは色物2名とマジシャン1名。

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右上の横向きカードは職人カード。いろいろサーカスの運営を助けてくれますが,彼らにも後々給料が必要。その下のカードは投資カード。1金で手に入れて運営をサポートする大切なカードです。ただし手札制限2枚までで,手持ちのマジシャン毎に1枚増えていくというかたち。青は積極的に投資をしていたのが,最後に効いてきました。

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6ターンの準備を経て,いよいよ最初の公演。4人の曲芸師がショーを行い(置いてある駒の数でショーのレベルが違います),その効果を手に入れます。資源駒を貰ったり,給料を安くできたりと・・・。そしてその後,曲芸師や職員への給料の支払いが待っています!これが相当きつくて,一回ショーを行うと,資金はほとんど空に。払えないと勝利点が減っていくので,いかに給料が払えるだけの資金を集め,誰にどんなショーをさせるか。ショーまでに計画的に準備ができるかが鍵なのです。

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そして場所を移動して,2回目の公演に向けた準備が始まるのです。新たな雇用は増えるので,ますます資金管理が大変です。未だに軽業師が自分のサーカスにはいないので,何としても雇いたいのですが。

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ところで,5ターン目が終わったらそれ以上準備のターンを続けるかどうかをプレーヤーの投票で決めます。自分のサーカス団が万全ならショーを目指すし,もう少しやりたいことがあれば準備を続けたいのです。ここは2−1でショーの決行になり,2回目のショーの公演をすることになり,演技後の効果を得たり,給料を払ったりしました。

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ようやく軽業師を雇ったものの,彼らは本来早い段階で雇わないとあまり役に立たないのです。駒3つそろうと最高の演技ができるのですが,その状態でカードを裏返して勝利点の獲得に向けないと,ゲームには勝てません。しかし,裏向けるとショーの効果によるお金の獲得などができません。最後のショーに向けて,厳しい計算が要求されます。こいつはこのままでお金にして,こいつは裏返して得点にしても良くて・・・・・,これを裏向きにしてしまうと,資金不足で給料が払えなくなってしまうし・・・,と悩ましさはつきません。

ドラム・ロール

しかし,いかんともしがたく,給料のために裏向きにできないカードが多く,得点が加算できませんでした。結局青に15点程度の差をつけられ見事に最下位。我がサーカス団は解散となりました。あれあれ。

美麗なアートワークとは裏腹の,カツカツで厳しい経営を要求されるゲームです。ショーの後の給料の支払いが相当かさむので,毎ターンのうち,1個はチケット売りにつぎ込まなくてはならないことが多くなります。また,是非とも雇いたい曲芸師が公開されていないことも多く,なかなかサーカス団の運営は思うように行きません。バランス良く,しかもできるだけ大勢雇い(最後に手持ちの曲芸師の種類や数で追加点あり),投資カードの効果を巧みに使いこなすことが勝利への近道。自分のように,まあ大雑把に進めるプレーヤー同士なら,緻密な計算のしすぎで過度に時間もとらず,サーカス運営の楽しさを十分満喫できる優れものだと思います。
※2012.7.21

ドラム・ロール(Drum Roll) ゲームデータ

ドラム・ロール
○デザイン Dimitris Drakopoulos / Konstantinos Kokkinis
○発  表 2011年
○メーカー Artipia Games
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや高め
○Spiele Offensiveで購入(約35ユーロ)