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ボードゲームレビュー
ダンジョン・ペッツ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ダンジョンでペット・ショップを経営します。街でペットや檻,餌などを買い,ペットの世話をして品評会に参加したり,顧客に販売したりしましょう。良いペットを育てダンジョンのペット・ショップとしての名声を高めるのです!
コンポーネントやボードの雰囲気からもうワクワクしてきます。いかにも複雑なようですが,実際複雑です。やることは大雑把に分けると2つ。手持ちの駒(インプ)を使って街での買い物アクションとペットの評価を高めるためのペットの世話をするアクションです。自分のボードに初期駒は6人と2金,世話用の要求カードも持って始まります。
まずは,各自秘密裏に,働き手のインプたちをいくつかのグループに分けてアクションを狙いに行きます。この後の手番順は,最も数が多いグループ(インプ+コインの数)からなので,いくつのグループに分けて何個置くか悩ましい限りです。1カ所へ多くを置けばできるアクションは減るし,といって何カ所にも分けても,やりたいことは何もできないかもしれません。
最も数が多いグループから,スタートプレーヤーから順番にアクションを選択して実行していきます。檻は重いので2人以上のインプを配置しないとだめとか,ペットは金がグループに入っていないとだめとかいう例外以外は,何人でもOKです。emiさんは,まず檻を確保,これは遊び道具や排泄処理がついたちょっといい檻のようです。
自分は赤ちゃんペットを購入。ペットは下の段は2歳で上の段は3歳,ラウンド毎に大きくなり世話も大変になるけど,得点や売値も上がるようになっています。
他には檻に特殊効果を付ける設備や食料,後でジョーカーになるポーションカード,ずっと使えるアイテム,遠くの仲間を呼ぶなどのアクションができ,どれを選ぶか悩ましい限り。しかも数の制限があるので,駆け引きも熱いです。
全員の購入アクションが終わったら,ペットの世話です。ペットの年齢に応じて要求をしてくるので,その色のカードを引き,示された要求に対応してやらなくてはなりません。まだ2歳なので要求も2枚。赤と紫です。概ね赤は怒り,紫は魔力ですが,檻の力で両方とも対応できるので,ここでは要求に対応でき何事も起きません。これが対応できなくなると,病気になったり,脱走したりととんでもないことが起きてきます。
ゲームは5年,5ラウンドに渡って進みます。2年目からは品評会も登場。自分のペットに割り当てた要求カードやペットの状態に応じて品評会を行い得点が入ります。この品評会で手心を加えていつも2点加算するというアクションがあるのですが,そこを重要視しないでいつもkuruさんにとられたいたのが結果としては痛かったようです。品評会トップは毎ラウンド8点入るので,これで相当引き離される結果になりました。品評会の内容はあらかじめ分かっているので,できるだけ得点できるようにペットの要求に応えたい訳ですが,このカードの割り当てがすごーーく悩みます。
さらに3ラウンド目からは顧客にペットを売ることもできるようになります。苦労して育てたペットを手放す瞬間です。顧客の要求に応じた評価点があれば売ることができ,通常は評価点の2倍が得点に,事前に品評会舞台にインプを配置していれば3倍の得点が得られます。さらに大きさに応じてお金も入ります。
そして最終ラウンド,品評会や顧客への販売のあと,最終得点計算=設備や持ち物に応じて,をして勝負が決まります。ただ,今回はkuruさんに品評会ボーナスを取られすぎ,断トツの勝利を与えてしまいました。
100分程度の中重量級なゲームですが,雰囲気バッチリ,コンポーネントもよく非常に楽しめます。細かい要素が多いものの,テーマがしっかりしているので慣れてくると決して難しいことはありません。インプをどうやって買い物に行かせようか,相手の状況との駆け引きも悩ましいし,さらに一番の悩ましいのが,ペットへのカードの割り付けです。ペットが増えて,しかも成長してくると割り当てるカードも増えてくるので,品評会の得点や顧客への販売を考えながらの対応は結構大変です。しかし,それをうまく当てはめ,ペットを病気にしたり死なせずに済ませると,何かうれしい気分です。長く遊べそうな一作です。
※2012.12.31
ダンジョン・ペッツ(Dungeon Petz) ゲームデータ
○デザイン Vlaada Chvátil
○発 表 2011年
○メーカー Czech Games Edition
○2〜4人用 約90分
○難易度 やや高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約30ユーロ)