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ボードゲームレビュー

フォルトゥナ　☆☆☆☆☆☆☆☆　

時はカエサルが治世していたローマ帝国。帝国内で影響力を強めようと野心を燃やすローマ人になってローマへと向かいます。小麦やワインで稼いだり，軍事力を強化したりして皇帝の好意を得てローマへ進みます。カエサルの宮殿に到達し，勝利点を最も得た者が勝者です。

美麗なボードの中央がカエサルの宮殿，４方向からそれぞれこの宮殿を目指します。勝利点が宮殿への道のマスになっています。だれかが宮殿に達したとき，１０マス目のローマの門を通っていないと脱落です。手前にあるカードはアクションカード，ボードの４辺に配置されます。マイボードや各種駒類，カード類も準備してスタート。３人での対戦です。

二度目のプレーなので，アクションカードはそれぞれ選びながら自分のボードの辺に配置します。最初の手番で行う予定のカードを裏向きにして取られないように確保しておきます。これはワインの収穫カード。そのアクションをしたら，そのカードを他の辺に配置し，カードの入れ替えをして，次のアクションに備えます。

で，次のアクションがワインの売却，資金は結構カツカツなのでうまく売っておくことが必要。手番にはこのアクションを行ったら，ダイスによる皇帝の好意の確保を行うのが通常の流れ。ダイスの目によりうまくいくと好意を得て，ローマに進むことができます。

ボードに並んでいる皇帝の好意カードで，ダイスの目以下で，使われていないものの効果を得ます。６の目なのでどれでも選べ，３の小麦を１個贈り，ローマへ１歩進みます。さらに，カードの上の特権トークンも獲得。これがかなり重要。

トークンの数だけカードを見て，基本は特権カード１枚を選んでもらえます。何かがすぐもらえるものや，最後に勝利点になるものなど，これらをうまく集めないと勝てないでしょう。ここは，資源２個が援助の人物の一人かをもらえるカード。うーん，どちらにしようか・・・。

右下のがマイ・ボード。アクションカードの効果で，左の列のダイスを増やしたり（振ったダイスの好きな目が使える），中央がウエスタの処女で３人まで持て，これを使うとさっきのダイスを増やせます。右の列が百人隊長，これも３人まで持て，追加のアクションができるもの，このもう一列右に結婚の列があり，結婚すると少し効果がアップします。

青が先行しており，先に宮殿に到着しそうな勢い。こちらも急いでローマには入っておかないといけません。ダイスの目による皇帝の好意の確保には，必要な資源がないと，逆に機嫌を損ね税金で取られてしまいます。アクションカードでうまく資源や資金を集め，皇帝の好意でローマに進む，これをいかに効率よくできるか，建物や特権カードの使い方も重要で，悩みどころも多いです。

そうこうしているうちに，やはり青が宮殿に到着。自分は何とかローマ市内にいましたが，オレンジは門に届いておらず，敗退。ここまでの道の得点と特権カードによる追加の得点で勝負が決まります。

小麦１個で１点，百人隊長１個で２点，建物１枚で２点，合計７点追加で，見事青をかわして勝利！やはり特権カードは強いです。

カードの回り方が独特で，勝利点を得るための道筋がいろいろあって，考えどころ満載の作品です。どのアクションを選び，どの好意でローマに進むか，ただし，好意はダイスの目次第。うまく好意を得られないと出遅れてしまい，結構響きます。その基本のアクションを着実に進めつつ，非常に強力なのが，特権カード。皇帝の好意の時に，特権トークンがある好意を獲得すると，特権カードがもらえ，最後に勝利点になるカードは非常に強いので，そのカードの行方で大きく勝敗が左右されます。しかも，通常アクションで建てる建物の一つが，この特権カード２枚取れる建物なので，それを押さえてしまうとさらに強力です。そのあたりを互いに牽制しあってプレイしないと，簡単に勝ちを持っていかれそうです。この特権カードとそれを増強する建物の強さが好きか嫌いかでゲームへの評価も分かれそうです。
※2012.5.2

フォルトゥナ（Fortuna）　ゲームデータ

○デザイン　Michael Rieneck / Stefan Stadler
○発　　表　2011年
○メーカー　The Game Master BV
○２〜４人用　約60分
○難易度　　やや高め
○Spiele Offensiveで購入(約30ユーロ)