こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
グラン・クリュ ☆☆☆☆☆☆☆☆
上質なブドウを買い付け,マイ畑で育て,収穫したら熟成,そして高値で売ろう。ワイン農家となって,数年間を経営し,最も稼いだプレーヤーの勝利です。初めて5人でのフルプレ−をしてみました。
真ん中に共通のボードと各自に自分の農場のボードを用意。ブドウの駒やお金を準備します。そして一番最初にすることが何と借金。所持金は0からなので,借りないことには何もできません。ほとんどのメンバーが初めてなので全員1クレジット=7フランの借金で始めることにしました。
毎ラウンド(毎年),売りに出されるブドウや改良チップが10枚(初年度だけ14枚:プレイ人数で異なる)あり,欲しいチップを競りにかけておきます。みんな様子見で1フランから。茶は早くも改良チップを競りにのせています。この思い切った戦略に翻弄されることに。
他に誰かが競り値を上げてこなければ,次以降の手番で買取り,自分の畑に植えます。自分は直ぐにワインにできる緑のブドウを植えていますが,これはワインにしても安すぎてあまり良くなかったよう。
グレーの駒が乗っているのがワインの価格表。手番を使って値を上げていくことができます。早く出荷できるワインは安く,熟成に時間がかかるワインは倍以上の価格まであります。売ると1ランクずつ値が下がる仕組み。
こうして1年が終了して2年目に入りますが,さすがに1年目はワインも完成せず,だれも売却した人はなし。毎年借金の利子を返さなくてはならず,これもきつい。また追加の借金もでき,茶は思い切って4クレジット=28フランを追加!
これは3年目かな。ブドウを買ったり,値を上げたりして,いくつかのワインは売却できるようになりました。売却したら中央のボードの自分の樽に駒を置いておきます。そしてワイン祭りというラウンドが始まり,ワインの種類ごとに売った個数の多い順に,ボーナス点がもらえ,持ち点に応じておまけのアクションが1回できるというおもしろいお祭りです。多額の借金をしていた茶は,うまい取り引きでしっかり儲け,借金を減らしています。自分は零細経営でなんともならず,未だ4クレジットの借金が残っているという状態・・・。
こうして着実な経営をしてきた茶が,十分な資金を確保したと確信して,借金を全額返済し,終了ラウンドへ突入。最後に1アクションずつプレイしてゲーム終了です。豊富な資金と改良チップを有効に使った茶がぶっちぎりの圧勝。このゲーム好きだというだけあって強いです。他は数フランの差程度でしたが,自分は4位に沈んでしまいました。
買って,育てて,つくって,売ってとワイン造りの雰囲気を十分に味わうことができる良作です。いきなり借金から始めるという厳しい経営ですが,どんなブドウをどこで収穫したり,ワインとしてどこで売ったりするか,的確な経営手腕が問われます。あまり得意な分野ではないですが,やっているのは楽しいですね。ブドウの買い付けと同様の扱いの改良チップの効果が結構高く,それをうまく駆使しないと勝利にはなかなか結びつかないようです。誰かが借金を返済したら終了という,ゲームの終わらせ方も変わっていますが,みんなが最後まであきらめずにプレーするというスタイルで取り組まないと,捨てゲームで終わらせてしまう危険もあるので,そのあたりはプレイする仲間を選ぶかもしれません。あと,雰囲気は良いのですが,絵柄や色の視認性があまりよくなく,特に大事な改良チップの効果が直ぐに把握できないのは残念。
※2012.1.29
グラン・クリュ(Grand Cru) ゲームデータ
○デザイン Ulrich Blum
○発 表 2010年
○メーカー eggertspiele
○2〜5人用 約90分
○難易度 高め
○あみあみで購入