こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
故宮 ☆☆☆☆☆☆☆☆
明朝時代の貴族となって、役人たちに豪華な贈り物をして影響力と権力を得ましょう。4日(ラウンド)で皇帝に謁見でき、最も得点を稼いだ者が勝者です!Kickstarterで予約していたものが届いたので、ソロプレイもできるようなので試しにやってみました。コンポーネントは通常版とは違っていると思います。
一見複雑そうなボード、ボード上は7つのアクションスペースに分かれています。ざっくり言うと手札(4枚から6枚)を使って、ボード上のカードと交換しながらその場のアクションを進めていきます。
プレーヤーボードは、手番のサマリーなどとともに、使用にコマや使用したカード置き場などになっています。基本ゲームでは、初期の手札4枚のセットが決まっていてこんな感じ。最初の持ち駒は6個。駒は結構厳しい。
7か所のうち中央が乾清宮で、使者駒が最後のマスまで到達しないとそもそも勝利に絡めません。ほかには、運河を船で渡って手札を増やしたりする大運河、ゲーム中使える効果や終了時の得点となる布告、タイブレークなどに効く陰謀、大きな得点源でもある翡翠市場、万里の長城の建設区画、地方都市への旅といったアクションがあります。
アクションの基本は、手札のカードを1枚選んで、ボード上のカードと交換します。ただし、そこは役人相手なので、手札のカードのほうが価値が高くないとすんなりとは交換してもらえません。カードを置き換えたら、カードについているアクションとボード上のアクションを可能であれば実行。ここでは、カードについている乾清宮のアクションと、この場所の布告のアクションができます。乾清宮は、皇帝へ謁見する道を進んでいく大事な道、布告は、これ以降恩恵があるもの。ただし、それなりにコストがかかります。
どの場所でも場所のアクションは2種類あり、あまりコストがかからない普通のアクションとコストは高いが効果も大きい上級アクションがあります。コストは、手元の使用人駒を捨てることなので、この使用人駒の数がかなり大事。ラウンドごとの補充だけでは厳しく、アクションなので追加の補充をうまく生かさないとだめです。ここの旅だと、通常アクションは使者を1つ分進めてそのトークンの効果を得るし、使用人駒を2個捨てれば2つ分進めて2枚のトークンを得れます。
贈り物カードの数字は1から9まで、例外で1だけは9の贈り物と交換できます。もっともらしい理由もルールにちゃんと書いてあるのが良い。ここの運河は自分の船に3個使用人駒が乗ると、手札のカードを増やしたり、二人分で使える駒が手に入ったりと大きな効果ですが、使用人駒が1個減ってしまいます。
他には、ラウンドの開始に振った3個のダイスによって、ラウンド終了時に交換して手元にきたカードの数値と一致している分だけ使用人駒がもらえたり、枚数が1位だと得点になったりと悩ませる要素も各所に。
長城の建設現場では、最多で得点が入り、陰謀の駒の進み具合で効果を得られたりします。翡翠市場は初めは使用人駒2個でもらえるものの、なくなれば3個、4個、最後は5個も駒がいるという。翡翠は多く集めるほど高得点なパターンなのでこれもないがしろにできないし。
4ラウンドでプレイできるカード枚数としては十数枚、うまくプレイできれば20枚ぐらいできるかもしれません。乾清宮で最後まで到達した上での得点勝負です。ソロプレイで2回プレイしましたが、最初はぼろ負け、2度目は負けたものの惜しいところでした。
やりたいことはいっぱいあるのに、すべてはできないのでポイントを絞りたいのですが、手札とボード上のカードの数値比べで思うようにいかず・・・、とジレンマたっぷりのゲーマーズゲームです。手札のほうがボード上のカードより数値が低い場合でも、交換できる方法もあります(ただし高コスト覚悟か、交換だけでアクションなし)。限られた使用人駒をどこで思い切って使うか、間違えると後半何もできなくなってしまいます。5人までプレイできますが、通常ボード上のカードはどんどん高くなっていくので、手番順も大事。手札とボード上のカードの交換を軸にアクションを考えていくジレンマたっぷりの良作です。なお、今回、Kickstarterにもかかわらず、あのNagamine氏の正規日本語ルールが入っていて訳さずに済んだのも非常にありがたかったです。
※2018.11.18
故宮(Gùgõng) ゲームデータ
○デザイン Andreas Steding
○発 表 2018年
○メーカー Game Brewer
○2〜5人用 約75分
○難易度 やや高め
○KickStarterで購入