ボードゲームレビュー


中世の商人たち ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

ヨーロッパ各地に販売網を持って,商人の売買でがっぽり稼ぎましょう。そして,この世界での地位をしっかり上げ勝利をつかみましょう。

中世の商人たち

最初のセットアップはこんな感じ。結構細々していて大変です。たくさんの要素がありそうです。やることは簡単に言えば,商品を仕入れ,運び,売って儲ける。そして,社会的地位を上げてそれを維持していく。最後は,地位が最も高い人が勝ちとなります。

中世の商人たち

商品は毎ラウンド3つまで仕入れることができます(最初だけは6個まで)。各都市には自分の倉庫があり,どの都市に何を仕入れるか,輸送や価格のことを考えますが,なかなか判断は難しいです。

中世の商人たち

次に商品を荷馬車に積みますが,3つある荷馬車毎に競り方式で,責任者を決めます。責任者になると無料で商品を載せることができ,他のプレーヤーの商品は料金を取って載せさせることができます。この料金の決め方が互いの交渉で決まるのがいい感じです。

中世の商人たち

積荷も決まったら荷馬車の移動。ヨーロッパ各地の都市を目指して出発です。移動力は手持ちの1〜4までのタイルで示します。4枚使い終えたらまた使えるようになるというシステムです。都市に到着させて商品の売却を狙うか,はたまた入らせないようにするか,また,使者という特別な駒によるカード狙いでいくか,互いの思惑が交錯します。

中世の商人たち

ここで商品の価値の変動が起こります。各プレーヤーが持っている秘密ディスクを使って,価値を上げたい商品を2つまで決めます。一斉にオープンして…狙い通り高くなればいいのですが,何と最高値までいくと次は最低価格まで落ちてしまうのです。ここも互いの思惑が絡んで歓声と悲鳴が入り交じるナイスな瞬間です。

中世の商人たち

都市に到着した荷馬車があれば積荷の販売です。価格の調整がうまくいった商品は高額で販売でき,その都市では扱っていないレアな商品だとボーナス価格が追加されておいしい商売になります。ここでしっかり稼いでおかないと後が苦しいです。販売後は,投資カードのオークション。このカードは結構重要で,安く仕入れるカードや,荷馬車の移動力を調整できるカードなど貴重です。

中世の商人たち 中世の商人たち

最後は地位の維持と向上。地位の維持に必要な金額を支払った後,地位の向上に必要な金額を支払うと,地位を上昇させることができます。もちろん上がれば上がるほど維持費もかかりますが,最後はこの地位が高いプレーヤーが勝つので上げないわけにはいきません。地位を上げるための費用も,荷馬車が都市に着く度に上がっていきます。なるべく前半に上げれるときはいくつか上げておいた方がよさそうです。

中世の商人たち

これらを繰り返して,決められた回数荷馬車が都市に到着するとゲーム終了(3人プレーでは7回)。最後,緑青ともに最高まで地位を向上させ同率で,持ち金勝負になりましたが,自分は200ギルダー,相手は500ギルダー!残念惜しくも勝てませんでした。

やりごたえのある満足感の高いゲームです。元は1999年に発表されたものだけあって,交渉あり,競りあり,カードあり,輸送あり,資源(商品)管理ありとたくさんの要素が絡み合っています。それだけに敷居は高いかもしれませんが,全てがきちんとやるべきこととして収まってくるので,自分が仕入れた商品をどのようにして高額で売るか,そこに集中して進めると,まさに中世の商人の世界に浸って楽しめると思います。所詮お金がしっかりなければ,地位の向上もできませんから…
※2011.6

中世の商人たち(Die Händler) ゲームデータ

中世の商人たち
○デザイン Wolfgang Kramer / Richard Ulrich
○発  表 2010年(オリジナルは1999年)
○メーカー Eggertspiele
○2〜4人用 約90分
○難易度  高い
○あみあみで購入