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ボードゲームレビュー
波止場の倉庫 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
あの「倉庫の街」の拡張が登場です。何せキツキツで超厳しいゲームでしたが,そこに新たな倉庫が登場。カードも倍近くに増え,資金にも若干余裕が出てくるような要素が追加されています。さていかに・・・。
お金がメタルです!これだけでも気分がいいですね。ずっしりとした感覚。さて,ゲームの方は基本ゲームの通りの倉庫へのカードの配置に加え,この倉庫の外に別の倉庫があるという雰囲気でボードの上部にカードが並びます。手持ちの駒も4つに増え,ラウンド後の収入も基本2コインに増えました。3人でのプレーです。
その外の倉庫のカードは,確保したらボードの右側に配置して,自分の駒を乗せます。このカードはとりあえず人には取られない自分だけのカードになります。
もともとの倉庫は通常ゲーム通り。自分の駒を置く順番は基本の倉庫でも,波止場の倉庫でも順番は自由です。全て駒を置いた後は,基本の倉庫のカードから順番に確保していきます。そして波止場の倉庫のカードは,下から順番に,そこにあるカードの枚数分のコインで購入できるのです。なので,だんだん安くなる寸法。うーん悩ましい。
だからこんな風に1枚だけになると,1コインで購入できます。まあ,欲しいカードは早めに確保するし,他のプレーヤーが値段をつり上げるために,カードを置いてくるのでどうしても高くなりますが・・・。
カードもいろいろ増えました。ただ,左下のカードのようにテキスト依存があるものが数枚入っているのがちょっと残念。他にも得点に絡んでくる多様なカードがあります。もちろん厳しい火事も健在!
さらに商品の種類も3種類増えました。ただし,それぞれ3個しかない貴重品。これをうまく使うのが結構大事だったようです。何と言ってもこれらの商品はうまく売れば1個3コインにもなるのです。青とピンクと灰色がそれ。
使い切りのお助け労働者(灰色駒)やブレイクタイムと言って2回だけ,駒を置くのを後回しにできるものや,人の駒と入れ替えることができるような,ちょっとしたアクセントになるカードも含まれているのも楽しいところです。ただし,カードが増えて,並べる場所に苦労してきますが・・・。
今回契約カードが2枚しか取れず,建物などによる得点も伸び悩みの様相。黒に,銀行による追加資金や2→1交換と青を3コインで売るカードの強烈なコンボで潤沢の資金にものを言わせてプレイされ,欲しいカードを手に入れるのに苦労しっぱなしでした。
そして戦い終わっての結果・・・。黒に7点差をつけられ敗北でしたが,思っていたほどの大差にはなりませんでした。もう少し狙いを絞って有効なカードを取りにいってれば,もっと接戦になったかもしれません。そのためにはやはりカードを覚えないといけないですね。
元の「倉庫の街」の厳しさも,もちろんすばらしいですが,この拡張も,少し余裕ができた分,展開が大きくなっていっそうおもしろくなったと感じます。基本のゲームも今回の拡張も,カードの内容や出てくる季節をきちんと把握していないので,どうしても無駄なカードをとってしまうなど,ぶれが生じてしまいます。カードが増えて覚えるのは大変ですが,ある程度は把握して望む方がやはり,よりおもしろいでしょうね。基本のゲームのキツキツさしか認めない方はともかく,少しの余裕で幅の広いプレイを楽しむならこの拡張は必需品でしょう。拡張セットの中身は全て,基本のゲームの箱に収まりますので,使い勝手も良いです。
※2012.8.16
倉庫の街:拡張:波止場の倉庫(Kaispeicher) ゲームデータ
○デザイン Stefan Feld
○発 表 2012年
○メーカー Pegasus Spiele
○2〜5人用 約60分
○難易度 中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約16ユーロ)