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ボードゲームレビュー
キー・マーケット第2版 ☆☆☆☆☆☆☆☆
2010年に初版が極少数発売されその後幻となっていたキー・マーケットが一部修正を加えて2019年に第2版として再登場。ようやく手に入れプレイする機会を得ました。ワーカーを農場などに配置して資源を獲得し、それらを駆使してギルドにもワーカーを送り込んで強力な効果を得たり、終了時の得点条件をアップさせたりとしていきます。
両サイドは市場の価格やラウンドの流れなどを示すボードで、中央の4枚の正方形ボードの組み合わせがワーカーが働く場所。並べ方や使う面は自由に変更できます。こっちと向こうに今回使用するギルドが7つ並んでいます。ギルドも、たくさんあってゲームごとに組み合わせを自由に変えることができます。ワーカー1人を初期配置してスタート。
ゲームの最初の段階で市場での資源の価格が既にいろいろ変化しています。現在は羊は高く、小麦は安い。この高いときに売って、安いときに買えるかもとても重要。後で出てくる販売時の駆け引きが楽しめます。
ゲームは冬から秋の流れを2年間進めて終了。最初の冬はほとんどできることはなく、ワーカーを1人ボードに追加できる程度。春からが本番。季節ごとに最初のフェイズが、ワーカーを移動、新たなワーカー1人配置、収穫、ギルドメンバーの昇格、自分の家の改築、ワーカーの引退といったアクションをこの順番でやりたいだけ一気に。収穫量は季節ごと基本の収穫量とランダムで特定の資源の収穫量が増えるので、ワーカーも増える農地などに移動しておきたいのですが、制限もキツくてそうは自由にいきません。ギルドに関しては資源がコストとして必要、資源はそのコストや売ってお金に換える、また最後の勝利点へとつながる一番大事なものです。
次のフェイズは、まず全員今回売りたい資源を密かに握って一斉に公開します(持っていたら1個は必ず売る)。公開した資源は基本一手番で同じもの2個まで売れます。売るたびに売値は下がるので、何を売るのか、売る順番はどうかと誰がどんな資源を収穫していて狙いそうか深い読み合いです。手番が遅くて売るものが被ると4金が1金まで下がってしまうことも・・・。あと、このフェイズでは、ギルドアクションを1回行います。ギルドへの参入、既にいるメンバーの昇格といった重要なアクションもあって、ギルドは早い者勝ちでもあるので、これも手番順とのからみが熱い。さっきの売るのと合わせて順番は自由なので要注意ですね。
このギルドですが結構強力。それぞれレベル3まであり、最高の3は1個しか入れません。資源の重要さを考えると生産量の増加や資源コスト減らすなどは欲しいし、お金のキツさを考えるとコスト減も良いし、ギルドによってはレベル3になると得点効率が飛躍的に上がるものもありこの場所の取り合いも悩ましさたっぷりです。
使えるワーカーは8個。それを農場とギルドでうまく使わなくてはなりません。毎ラウンド最後にワーカーに給料が必要になりますが、お金が足りなかったり、次のラウンドでの使い方を考えてなどと、いったかたちで農場のワーカーを手元に戻すこともできます。新たなラウンドの手番順は、その時のボード上に配置されているワーカーの少ない順。このあたりも悩ましくできています。少ないワーカーで早めの手番を取るか、遅くても多くのワーカーで収穫を増やすか、自分のギルドや得点化との兼ね合いで様々です。
そして2年目の秋が終わってゲーム終了。自分は最後同じ資源2個組み5点を8点にできるギルドでがんばって資源確保しましたが、生産量アップのギルドに入れたのが遅くて届かず、5種類の資源セット25点をしっかりつくったShugが勝利。前半から資源増強ギルドが大いに効いていたようです。
ベースは10年前(現在2020年)のゲームで、新しいシステムではないですが、ちょうど適当な感じの互いの絡みが実に良くできています。農場ボードでのワーカー配置の場所取り(より収穫量の多い場所がいいですし)、美味しいギルドのせめぎ合い、握りビッドによる販売資源の選択、手番順の綾などなど、このぐらいのインタラクションが最高です。ボードの配置や使用するギルドが毎回変化できるのでリプレイもしやすく、慣れてくれば90分かからずプレイできそうな、中重量級として非常にプレイしやすい一作。農業テーマのゲームは雰囲気も明るくて良いですね。
※2020.5.8
キー・マーケット第2版(Key Market second edition) ゲームデータ
○デザイン David Brain
○発 表 2019年(初版は2010年)
○メーカー R&D Games
○2〜4人用 約90分
○難易度 やや重めぐらい(BGG Weight3.25/5)
○アーチゲームズで購入