ボードゲームレビュー


クレオパトラと建築家たち ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

クレオパトラの建築家となって,荘厳な宮殿建築に助力し,多くの富を得ます。ただし,時にはいかがわしいこともしていかないと効果的に進みません。さあ,できるだけ手を汚さず,優れた建築家としての栄誉を手に入れよう!

クレオパトラと建築家たち

何とも豪華なコンポーネントです。さすがデイズ・オブ・ワンダー製!?柱やオベリスクなどパーツもたくさんありますが,基本のゲームの流れはとっても簡単。建築資材を手に入れて,それを使って宮殿のパーツを建設していくこと。

クレオパトラと建築家たち

さて,最初の手札は3枚,左から職人,大理石,ラピスラズリ。あとはオールマイティに使える船が3枚と,アヌビス神2体,お金が少々・・・。右のピラミッドは汚職の札を入れておくもの。これが・・・。

クレオパトラと建築家たち

手番にできることは,市場の1カ所の露店のカードを全て取るか,カードを使って建築するかです。一番最初はどの露店も1枚ずつしかカードはありませんが,誰かが一カ所取る度に,全ての露店に1枚ずつカードが足されていきます。山札は表向きや裏向きが半々程度の枚数でごちゃ混ぜになっています。まずは手前の露店から石材を取りました。そして全ての露店に1枚ずつ追加していきます。

クレオパトラと建築家たち

次の手番で早速建築します。カード4枚とオールマイティになるナイルの商人タイルを使います。建築する場所ごとに必要な資材は違います。今回は,宮殿の庭園に神々のモザイクを設営することに。

クレオパトラと建築家たち

宮殿の屋上にモザイク模様を置きます。置いた結果,もうそこには他のモザイクが置けないことになっていれば,自分のアヌビス神を置くことができます。これはかなり重要で,後で汚れた札をそのマスの数だけ減らすことができるのです。ここでは4個分になります。さらに,お金ももらいます。

クレオパトラと建築家たち

また,何かを建設すると,大神官ダイスを振ります。このダイス一カ所だけシンボルになっており,それが出ると祭壇に捧げます。5つともシンボルになったらイベントがありますが,何と言っても1カ所だけなのでなかなか出ないときは出ません。

クレオパトラと建築家たち

問題の汚職は,カードに汚職マークがついている資源(通常よりもらえる量が多い)や特別に手助けしてくれる人々です。これらを使うと汚職の札を受け取らねばならず,あのピラミッドにためていきます。汚職は効率よく資源がたまり,建築も楽なのです。ただし,ゲーム終了時に最も汚職の札を持っていると,クレオパトラの逆鱗に触れ,ワニの餌食とされてしまい,ゲーム上は負けになってしまうという厳しいものです。

クレオパトラと建築家たち

3枚の資源で宮殿の柱を建築。中央のカードは資材の代わりになるだまし絵という汚職カード。背に腹は代えられず・・・。

クレオパトラと建築家たち

いろいろ建築されていき,大神官のダイスがとうとう5つめのシンボルがでました。神に捧げるお金を握り,最も差し出すと,あの汚職札が3枚減らせます。後は1枚,2枚とさらに増えます。ここは思い切った金額でトップになり3枚破棄できましたが,お金を使いすぎたようでした。

クレオパトラと建築家たち

資材を2セット分使ってスフィンクスを2体建築。今回は汚職カードは使っていません。健全健全・・・。これでスフィンクスは全て完成です。建築物は6種類あり,ある種類が全て完成する度にクレオパトラが1歩ずつ歩いて行きます。5歩進んだらゲームの終了。後半は結構一気に収束していきます。

クレオパトラと建築家たち

直に5種類目の建築物も完成しゲーム終了。ここで手札に汚職のカードが残っていると,その枚数分まず,汚職札が追加されてしまいます。何と全員少しは持っているだろうと思っていたら,自分だけ2枚持っており,アヌビス神によって捨てる分を差し引いても汚職札が単独トップになってしまいました!アヌビス神が1体しか置けなかったのが痛かった。こうして,自分はクロコダイルの餌としてナイルの藻屑と消え敗れ去ったのでした・・・。

豪華なコンポーネントに,どんな複雑なゲームなのかと思ったら,実にシンプルでわかりやすいゲームでした。資材を集めて,建築するという,基本はそれだけの流れの中に,汚職というアクセントがよく効いていてプレーを悩ましくしています。全く汚職なしで全てできれば問題ないのですが,汚職の誘惑にはなかなか勝てないので,相手の動向も考えながら,必要最小限の汚職に手を出していくのが良いようです。今回十分確保できなかったアヌビス神のスペースはできる限り取っておきたいですね。シンプルなルールと豪華なコンポーネントに雰囲気満点な(クレオパトラは直接関係ありませんが,古代の宮殿建築の気分はバッチリです!)ボードゲームの楽しさを広める一作です。
※2012.3.28

クレオパトラと建築家たち(Kleopatra und die Baumeister) ゲームデータ

クレオパトラと建築家たち
○デザイン Bruno Cathala / Ludovic Maublanc
○発  表 2006年
○メーカー Days of Wonder
○3〜5人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○オークションで購入