ボードゲームレビュー


ランカスター ☆☆☆☆☆☆☆☆

 舞台は15世紀のイギリス・ランカスター朝時代。プレイヤーは領主となり、王に即位したヘンリー5世の最も強力な同盟者となるべく、各州に兵を派遣したり、自らの城を改築したりして特権を獲得しつつ、一方でフランスとの戦いに参加したりしながら権力を高めていきます。

ランカスター

 重厚なコンポーネントが気分を高めます。お城を模したついたても良い感じ。ゲームボードに個人ボードなどを準備してゲームスタート。

ランカスター

 毎ラウンド手持ちの騎士駒をあちこちに派遣して勢力を争います。イギリス国内の各地に派遣。後でちょっとしたボーナスと、最後に大きな得点源になる貴族がもらえます。

ランカスター

 対岸のフランスと戦闘状態にあるので、そこへも派遣。ここはすぐに手に入るボーナスの他、後で戦力に応じて戦闘を解決することになります。

ランカスター

 これがマイボード。駒を配置しなくてもボーナスがもらえるように拡張したり、地方の貴族を集めたりするようになっています。

ランカスター

 で、その地方ですが、騎士駒の配置は早い者勝ちという訳ではなく、より強い騎士(従者駒を追加して強くすることも可能)を置くと、前の騎士駒は追い出せるのです!これがなかなか悩ましい。追い出されたらより強くしないと再配置できないので、手持ちの騎士と従者駒をあれこれ考えてどこに配置するのがいいのか、ホント楽しく悩ましく、最高の時。貴族チップを最もたくさん集めることが最高の得点になっていくので、その取り合いも激しいのです。

ランカスター

 もう一つ戦略的に悩ましいのが毎ラウンドやってくる法案の成否。現在ある法案を廃案にして新しい法案を成立させるか否か、これもそれぞれの思惑がぶつかり合う時。なんと言っても法案によっては、結構な得点やボーナスになるので、互いの状況をよく見て賛成か反対かを決めていきます。多数決ですが、手持ちの投票駒で票数を操作できるのがまたいいですね。

ランカスター

 そんなこんなで5ラウンド勝負。最初こそ、動かせる駒も少なく、あっさりしたものですが、後半になるほど、様々な状況を見て考えてプレイしなくてはならなくなります。地方の駒の配置合戦も熾烈に。

ランカスター

 5ラウンド後、最終得点計算、がっちり貴族を集めた自分が大きく加点し、逃げ切り見事勝利でした。

 最初はあっさり、だんだん拡大してやることが複雑になっていく・・・そんなドイツゲームの醍醐味をしっかり味わうことができ、時間も1時間程度と、濃密な時間を楽しむことができる傑作です。基本は騎士駒によるワーカープレイスメント系ですが、早い者勝ちではなく、強さで入れ替えることができるのが、悩ましさを深めています。うまくお金や駒などを手に入れ、最終的には地方にいる貴族たちをたくさん集める、その熱い取り合いが楽しく、また、法案によるちょっとしたボーナスも馬鹿にできない、時々プレイしてみたくなる、かなりのお勧め作品です。
※2014.8.24

ランカスター(Lancaster) ゲームデータ

ランカスター
○デザイン Matthias Cramaer
○発  表 2011年
○メーカー Queen Games
○2〜5人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○i-OGMで購入