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ボードゲームレビュー
遺言 ☆☆☆☆☆☆☆☆
叔父の遺言に従って,可能な限り早くすべての所持金を浪費する。そんな常識的なテーマの正反対をいくのが新鮮なゲームです。とにかくお金を使えるように,計画的な戦略が必要です。
3人でのプレー。カード置き場のボードやアクション駒を用意してスタート。最初の手番順を元に,アクションをする手番順を取り,その場に応じてカードをもらったり,アクション用駒をもらったり,アクション数をもらったりします。最初の悩ましいところ。手番が先だともらえるカードが少なかったりアクション数が少ない。後の方だともらえるものが多くても,既に取られている可能性も高いということ。
最初に手札にしたのが邸宅と庭師,あとあと邸宅の管理でお金を使える組み合わせ。手札にあるだけではまだ何の効果もありません。
ボードの内容は,手番順を決める,邸宅の売買価格を変更する,欲しいカードを取る,カード置き場を増やすなど,いかに浪費するかを考えながらの悩ましさがいっぱい詰まっています。
その場で使える白いカード以外は,マイボードに配置して初めて効果を得られます。配置するにはアクション数が必要。このアクション数が結構きつきつでうまく調整しないと必要な費用の支払いもできません。
屋敷の管理でお金を使ったり,どこかへ旅行に行ったり,食事にいったりと何とかお金を使う算段を考えます。カード同士の組み合わせ,所謂コンボもできるのがなかなかです。
この回りが青いカードは,同伴者カード。何かをするときに一緒に来てくれて支払額をアップさせてくれる貴重なペットや同伴者たちなのです。このカードたくさん使えると相当な浪費が可能で,結構強力でした。
だれかが所持金マイナスになったらゲーム終了。ただし,手持ちの屋敷などはいったん売却して現金化して,それも使い切らないといけません。後半一気に支出を増加しましたが,青に先を越されて万事休す。勝利とはいきませんでした。
お金を貯めるというテーマでも普通にゲームになるところを,所持金使い果たすという逆の目的にしただけですが,それが新鮮だから面白い。手札の組み合わせを工夫して,より多く支出できるようにカードのコンボを作り上げていくことが鍵になるようです。前半は屋敷系のカード,後半は同伴者による多額の支出と,ゲームの流れによって効果的なカードの組み合わせも変わっていき,場面に応じた手札コントロールが要求させるなかなか面白い作品です。
なお,ここではミニ拡張で出たスタートプレーヤーを決めるオーダー・ボードも追加してプレイしました。手番順がかなり重要なのでこの拡張はあった方がより戦略的に楽しめます。
※2013.3.28
遺言(Der Letzte Wille) ゲームデータ
○デザイン Vladimír Suchý
○発 表 2011年
○メーカー Czech Games Edition
○2〜5人用 約60分
○難易度 中ぐらい
○Spiele Offensiveで購入(約30ユーロ)
遺言:プレーヤー・オーダー・ボード(Last Will: Player Order Board) ゲームデータ
○デザイン Vladimír Suchý
○発 表 2011年
○メーカー Czech Games Edition
○BoardGameGeek Storeで購入