ボードゲームレビュー


マカオ ☆☆☆☆☆☆☆ 

 17世紀に極東の商都であったマカオをめざす,有力なポルトガルの探検家になります。ここで、ヨーロッパとの交易から、街を計画的に建設し、重要な役職や地位を占め、名誉名声を獲得します。ゲーム終了時、もっとも多くの名声ポイントを獲得しているプレーヤーが勝者になります。

マカオ

 3人でプレー。中央のボード以外に各自にカード置き場のボードと資源を置くダイス目が書かれた七角形のタイルを用意。初期のカード1枚に,初期の資源,資金5金を持ってスタート。

マカオ

 最初に必ずカードが1枚来ます。これが良いのか悪いのか,使えて効果があるカードならもちろん歓迎ですが,あまりどうかなと思っても取らないといけません。しかも,使わずに最後まで残っているとマイナス点!最初と1ラウンド目のカードは役立ついいカードですが,ただし資源を準備して手元に置かないと役に立ちません。

マカオ

 カードを使うのに必要な資源はダイス目頼りなのが辛いところです。1人が振ったダイス目に応じて,2種類の目の資源を自分の七角形タイルの該当の目の横に置きます。今は,黒とグレーの3にして,3の目の横に3つずつ資源を置きました。といってこれでもまだ自由に使えるわけではありません。

マカオ

 そこでタイルが一辺分だけ右に回ります。ただしこれを回しながら進めていくのがちょっと面倒くさいですね。このラウンドで使える駒は矢印の所にあるものだけです。ですからダイスの目の大きいところに駒を置くと後々たくさん使えますが,直ぐには使えない。直ぐに使える1や2だと駒が少ないという何とも悩ましいことです。なので,序盤のラウンドはやれることがあまりなく大きな動きはありません。手元のカードに必要な駒を準備し,どこで動くか考え時でもあります。

マカオ

 ただし駒は持ち越せないので使い切ります。カードの活性化以外に,マカオの街で商品を仕入れたり,手番順のトラックを進めたり,商品を売るための船を進めたりします。グレーの駒1個で買える翡翠を1個確保です。

マカオ

 2ラウンド目,紫駒2個用意してあったのでそれに対応するカードを取って活性化。ただし,活性化したところでカードが使い切れるかというとこれがまた難しい・・・。ただ,カードは活性化できる時にしておかないと,ボードに入らなくなったカードはマイナス点になってしまうのです。また悩ましい・・・。

マカオ

 一度活性化したカードは,後はずーと使えるのでできればきちんと活用していきたい。街での商品購入も,自分のマーカーが一続きになると後でボーナス点も入るので商品の種類とのからみも考えて上手に押さえていきたい。船で商品を売るのも,一番乗りなら得点も高いので相手より早く着きたい,中盤からは俄然やることが増えてきます。前半に大きな目で貯めて置いた駒も一気に使えるような展開になってきてドイツゲームらしさを満喫できます。

マカオ

 そろそろゲームも終了間近。ここまで3人ともいい勝負なのですが,自分はどうも活性化できそうもないカードが数枚残ってしまい痛いマイナス点を喰らいそう。何とか商品の売却やカードの効果で得点を稼ぐものの厳しそうです。

マカオ

 最終ラウンド,マカオの街の一続きで一番の点を稼いだものの,カードのマイナス点が響き伸びず,白がカードも使い切り,商品も全て売り切るという効果的な得点で見事勝利をさらっていきました。

 フェルトらしい厳しさと悩ましさを満喫できる秀作です。多岐に渡る効果があるカードも一回のゲームでは全てが登場するわけではないので,その都度違う戦略を取る必要もあります。拡大生産系である,序盤はテンポ良く,後半たくさんのアクションを進めていくという,この王道ぶりもまさしくドイツゲームを楽しんだという感覚になります。得点の取り方もいろいろあってプレーヤー毎に様々工夫して進めていけるのもいい感じです。ただし,悩ましさを生み出す駒の確保が,ダイスの目で大きく左右されるのは好みが分かれそうです。ダイス運OKならお勧めです。
※2013.3.14

マカオ(Macao) ゲームデータ

マカオ
○デザイン Stefan Feld
○発  表 2009年
○メーカー alea
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや高め
○アメリカ・アマゾンで購入