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ボードゲームレビュー
余計な料理人 ☆☆☆☆☆☆☆
レストランの新たなお得意様をふやすため,コックたちが料理コンテストを行うことになりました。しかし,たった1つの鍋でいっしょに料理するのです。しかも同時に!自分のメニューをうまく完成してお得意様を増やせるのは誰?
3人で5ラウンドのプレー。各自5種類のメニューを持ち,毎ラウンド,どの料理を出すのか決めます。手札は13枚。それぞれのスープ用の具材を持ちます。
伏せて出したメニューを一斉にオープンしたら開始!自分と左家がチキンスープで重なっています。(しかし,どう見てもジャガイモにしか見えませんが・・・。)
プレイは,マストフォローのトリックテイクの変形版といったところ。基本は,同じ色のカードをプレイしなくてはなりません。はじめは,緑の野菜スープの具が入りました。そして,プレイしたカードの数字を合計していきます。一回りで誰かがカードを取るのではなく,合計が10以上になった時にカードを引き取ります。この一番上のカードは合計を0に戻す吹きこぼれカード。自分は,チキンスープなので,茶のチキンがほしいわけです。
で,次のターンでこれだけ取ったわけですが,ほしいチキンは3枚,無関係(得点にも失点にもならない)な魚介が1枚,まずいことに失点になってしまう,唐辛子が2枚です。
このターンは色がばらばらですが,最初はマストフォローでも,同色がない場合に,唐辛子の赤のカードを出すと,もう何でもよくなるのです。スープに唐辛子が入ってどうでもいい!といった感じ?
その後のラウンド,このメニューは,今日はスープ作る気ないから,ファストフードでごめんといった内容。このメニューの場合は材料カードを取らないようにするのが目的。取ってしまうと枚数分の失点です。
見事に一枚も取らず,5人分の顧客を獲得。毎ラウンド,取ったカードの枚数から,顧客が獲得できます。基本のスープでは,その具材カードの枚数から唐辛子の枚数を引いた数,チリスープだけは,唐辛子の枚数からブイヨンの枚数を引いた数,ファストフードは5人分の顧客から取ったカードの枚数を引いた数です。ブイヨンはそれぞれのスープの0のカードになっていて,チリスープの邪魔にうってつけなのです。
5枚目のメニューを出したらラストラウンド。最後は野菜スープですが,手札にあまり野菜はありませんでした。何とか色の整理をして数枚確保したものの・・・。
獲得顧客数16名,右家は22名,左家は10名で2位で終わってしまいました。左家はファストフードで大きなマイナスを食らっていました。右家は最後こそほとんどとれませんでしたが,安定してトップ。自分は最初の方のラウンドで失点を食らっていたのが響きました。
トリックテイクのカードゲームであるものの,カードの出し方,取り方に変化があってトリックテイクっぽくない部分も多いです。毎ラウンドのメニューに応じて,作戦を立て,取りに行ったり,取らないようにしたり,はたまた相手にいらないものを押しつけたりと,せめぎ合いを楽しめます。「どうしてここで唐辛子を入れるんだぁ!」「チリスープにブイヨンはいらんのだわぁ!」などと,コックたちの悲鳴や怒号に思わず力が入ります。簡単なルールの中で,そこそこの駆け引きが楽しめる,ファミリー向けのお手軽カードゲームで,使い勝手もよさそうです。
※2012.5.6
余計な料理人(Zu viele Köche) ゲームデータ
○デザイン Reiner Knizia
○発 表 2002年(これは2009年版)
○メーカー Pegasus Spiele
○2〜5人用 約30分
○難易度 やや軽め
○ドイツ・アマゾンで購入(約6.7ユーロ)