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ボードゲームレビュー
メディチ ☆☆☆☆☆☆☆
クニツィア作の傑作競りゲームと言われるメディチです。今回,日本語版が出たのを機会に初めて入手することができました。どんなゲームなのかざっと紹介です。メディチとは,言わずと知れたルネッサンス期のフィレンツェの一大勢力メディチ家のこと。数々の商品をうまく操り大富豪を目指します。
ボードは至ってシンプル。5種類の商品に対する影響点と自分の資金トラックしかありません。3ラウンドで最も稼いだプレーヤーの勝利。
手番では,商品カードの山札から1〜3枚の任意の数のカードを捲って表向きにしていきます。商品の価値は0〜5,何枚めくって競りに賭けるか,商品の価値や種類に応じてどうしたらいいのか,最初ははっきりいってよくわかりません。0の金属,0の染料,5の布・・・,かける相場も分かりません・・・。自分の船には5枚までしか商品を載せられません。
1金で入手。手に入れたカードはその枚数分,ボードの商品トラックで上に上がっていきます。トップと二位には得点もあるので,最初の方で手に入れた商品を重点的に狙っていく方向になるのでしょうか。
手番順にカードを競りに賭け,全員が5枚手に入れるか,商品カードがなくなるか(全員パスするとカードが流れてしまい,足りなくなることも)したらラウンド終了です。ここでは,金属2枚,布2枚,染料1枚。しかし,価値の合計点が11しかありません。
ここは全部の価値の合計が25!,黄金の10は,どの商品の種類にも属しませんが10の価値があります。というのも,ラウンドの最後に,全員の商品の価値の合計の高い順に大きな資金(30金からだったかな)が入り,最下位だけ0金です。さっきの11点では最下位間違いなし。
そして各自集めた商品カードの枚数分,商品トラックで駒を進めます。ここでは,それぞれ1位,2位のプレーヤーに得点が,さらに上の方の5,10,15まで行くとその得点も入ります。
相場も何もかも手探りな1ラウンド目から2ラウンド目に入ると,互いの状況がはっきりするので,誰が何を狙っていくのか,自分が欲しいのはどれなのか,見えてきます。そうなると賭けの相場も大きく動くし,めくるカードの枚数や種類もどうするか悩ましさが増してきます。駆け引きを楽しみながらの3ラウンドが終わっての勝負が楽しい!
やるごとに面白さがじわじわやってくるタイプの名作。はっきり言って,最初は何も分かりません。いくらで競れば良いのか,何枚めくるといいのか,そんな手探りでもみんなが同じような感覚でプレイしていればきちんと成立していくし,何枚かカードが動き出すと,欲しいもの,欲しがっているもの,いらないものなど見えてくるのが良い。めくる枚数もそうした互いの状況を読みながら決めていけるし,5枚しか買えないので,のこり2枚とかだと,3枚めくられると競りに参加もできません。時には超お値打ちに良いカードが手に入ることもあったり,時には勝負で大枚払うこともあったり,ゲームの流れもメリハリがあります。さすがの名作ですね。日本語版が出て入手しやすくなりました。言語依存は全くないので,別にどのバージョンでも良いのですが・・・。
※2017.5.21
メディチ(Medici) ゲームデータ
○デザイン Reiner Knizia
○発 表 2016年版(オリジナルは1995年)
○メーカー グループSNE
○2〜6人用 約45分
○難易度 中ぐらい
○イエローサブマリンで購入