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ボードゲームレビュー
マーリン ☆☆☆☆☆☆☆☆
マーリンなのでアーサー王と円卓の騎士ですね。まさに円卓=ロンデルをぐるぐる回ってやること盛りだくさんなゲーマーズ・ゲーム。初プレイでは的が絞れそうにない。
基本はこのボード、真ん中に円卓(ロンデル)があり、その周りは6つの貴族達の公国があることになっています。円卓の座席1つ1つにアクションが割り当てられていて、基本は円卓を動いて、そのアクションをするだけなので、至ってシンプルです。
マイボードと拡張のボード、いきなりこの拡張も使用。これは使命カード達成時のオプションとして活性化し、その後ずーと効果があるもの。マイボードに4人の伯爵、さっきの6つの公国を回っていろいろします。城の上部に反逆者が3人、こいつらを倒さないとマイナス点、そのための盾を置く場にも。左右に公国の旗を置いて、特別アクションができたり、地方に荘園を作るための資材を置いたり、そしてなにより、アクションの中心となる自分の騎士の3つのダイスとマーリン自身を動かす白いダイス、そう、円卓の移動はダイス運なのです。
こちらは荘園を作る郊外の土地、毎回ランダムで組むので地形は変わります。同色の広い土地は得点に大きく絡むので重要です。
さて、最初に振ったダイスから1つ選んでその目だけ、自分の騎士を時計回りに移動、そしてそのマスのアクションを実行。白いダイスは各自1個持っていて、これは白いマーリンを共通に動かし、これだけは左右どちらでも移動可能。できるアクションは同じです。周りの6つの公国から旗、盾、資材を受け取ったり、自分の影響マーカーを公国に置いたり(得点時に各公国へのマジョリティで得点)、それらの資材の持ち数で得点になったり、荘園を作ったり、要素はかなり多いので最初はなれるまで手探り状態です。2ラウンドごとに得点計算があり、計6ラウンド勝負なので、意外と早いかも。
荘園の建設でここに自分のタイルを置きます。得点計算時に同じ色の固まりで最大数を取ると、そのタイルの枚数分得点、最後この水色の地域で優位を取って7点得たのは効きました。また、塔のあるマスに建てると良いこともついてきます。
上からの俯瞰、見るからに細々していて準備も結構大変で最初はウッと思いますが、プレイはダイス目で駒をぐるぐるやるだけなので、アクションの意味さえ覚えればスッキリと入ってきます。得点で重要なのは、さっきの荘園と同じくマジョリティで得点になる、6つの公国への影響マーカーの数、そして使命カードの達成による得点、カードは条件を満たせば手番に1枚出せます。今回は、拡張ルールで使命カードの達成を別のことに使えるルールも使っています。
大きめの円柱コマが自分の伯爵、4人いてそれぞれ役割があります。公国に配置するときに先客があると、帰ってもらいます。この配置した伯爵の数も得点なので、できればラウンドの後半には多めに置いておきたい。カードの達成条件にもあるので、達成しようとする直前に帰らされるとつらいことも。
ボードの見た目はダイスが増えていくだけであまり代わり映えしませんね。もちろん他にももっと細々したルールはあって、1つ1つ記していると大変なので省略ですが、どれも分かりやすくて難しいことはありません。ただ、後であのときあれ使えば良かったなんてことはよくあります・・・。
フェルトとリーネックの共作と言うことでどんな複雑になるかと思いましたが、円卓の騎士の物語はやはり円卓で完結です。しかし、そのアクションの要素は多岐に渡り、得点のため、失点を防ぐため、特別なアクションで苦境をやりくりするためなど複雑です。今回は初めてのプレーで、見過ごしていたこともあり、特に、マーリンの杖による同じアクションのくりかえしは、ほとんど使わないままでもったいなかったです。3回使えるので、これはここぞと言うときに使って展開を有利にしないとだめですね(使わないと1本2点)、また、ダイス運ですが、リンゴを使って好きな目にできるので、リンゴも密かに持っていないと、とか、細かいことはいろいろあります。でも、与えられたダイス目を使っていかに自分に有利なアクションを行うか、マーリンは全員が動かすので、どこでマーリンを動かすかの駆け引きもあります。複雑そうで簡単、簡単そうで複雑、ちょっと重めが好きな人たちには非常にお勧めな今年の一作でした。
※2017.11.5
マーリン(Merlin) ゲームデータ
○デザイン Stefan Feld, Michael Rieneck
○発 表 2017年
○メーカー Queen Games
○2〜4人用 約75分
○難易度 やや重め
○KickStarterで購入