ボードゲームレビュー


モダン・アート ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

競りゲームの傑作と言われているモダン・アート,いろいろなヴァージョンが出ているようですが,自分が持っているのはペガサス版です。カードのアートな作品もそれぞれ違うようですね。さあ,見事現代美術界で一儲けできるでしょうか。

モダン・アート

各プレーヤーに軍資金が渡され,値付け用のボードと手札となるアート作品が配られます。毎回,1枚絵が売りに出され,4種類の競りを使って落としていきます。ただ,自分は競りがあんまり得意じゃないんですねぇ。

モダン・アート

これは,全員で付けた金額を握って一斉にオープンする競り,最も高値を付けたプレーヤーが買い取ります。

モダン・アート

また,2枚一度に競りを掛けるカードもあります。これはその2枚目を必要とするカードと,一周だけ順番に値を付ける競りのカード。他には自由に言い合う競りとカードを出したプレーヤーの言い値で買うか買わないかを決めるカードがあります。

モダン・アート

ある作家の作品の5枚目が出たらラウンド終了で絵画の売却決算です。最も売りに出ている上位3人の作家の作品までしか値がつきません。4・5番目の作家のカードはただの紙くずです。ここでは右の3人に値がつきました。koritoを2枚持っているので40の価値になりましたが,NexとBahutは値がつかず紙くずです...。

モダン・アート

2ラウンド以降に値がつく場合は,それ以前の価格も上乗せされますから,いつも値がつく作家だとかなりの額になってきます。ですから,競りもだんだん白熱してきます。売れたときの価格を考えながら競り値をしっかり見極めていかないと,損してしまいますし,下手すると一文にもならない事態もあり,熱いバトルが繰り広げられます。5枚目のカードがいつ出されるか,いつ出すか駆け引きも楽しいですね。

モダン・アート

合計4ラウンド戦い,最も稼いだプレーヤーの勝ちです。今回はkoritoが3ラウンドで,Sadlandは4ラウンドで60の価値になりました。3人プレーで差が10に満たない厳しい戦いでしたが,最下位に沈んでしまいました・・・(3人の場合,闇の画商が登場して少々場を荒らしていってしまう追加ルールを使いました。)

もう20年近く前の作品ですが,全く色あせることなく楽しむことができるのはさすがです。4種類の競り,ラウンド終了のさせかた,値の付き方など無駄がなく,シンプルの中に,熱い戦いができるようになっていて,何回やっても飽きません。30分程度で熱中できる競りゲームの傑作でしょう。自分みたいに競りは苦手かなと思っているみなさん,名作に一度は触れてみませんか。
※2011.5

モダン・アート(Modernart) ゲームデータ

モダン・アート
○デザイン Reiner Knizia
○発  表 1992年(このヴァージョンは2009年)
○メーカー Pegasus Spiele
○3〜5人用 約45分
○難易度  中
○ドイツ・アマゾンで購入(約20ユーロ)