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ボードゲームレビュー
ナビゲーター ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
大航海時代だ!ポルトガルを出向して,新たな土地を探しつつ,長崎まで行こう!船の遭難など厳しいこともあるけど,貴重な産物を手に入れ儲けよう。有力者の恩恵も大事です!
初期配置。横長のボードにポルトガルから長崎までが描かれていて,いやが上にも大航海時代の探検気分が盛り上がります。産物の価格や各工場,造船所,教会,植民地の産物タイル,恩恵チップを配置。各自,自分のボードに最初の設定をして,船を2隻ポルトガル沖に浮かべます。
手前に見える黒いカードのおじさんはエンリケ航海王子!このカードがあると手番の前に1回分航海をさせてもらえます。最初は一番最後のプレーヤーが持ち,その後は手番順とは逆回りに回っていきます。
手番のアクションはロンデルぐるぐる回り方式で決めます。時計回りに3つまでは無料で選べ,それ以上は一マス毎に船を1隻廃棄しなくてはならないので,実質3マスまでで考えることになります。労働者の雇用,船の建造,建物の建設,航海,植民地の開発,市場,恩恵から選びます。
何をするにしても,お金も人も建物も結構カツカツなので十分考えないといけません。また,できることがいろいろありますが,それぞれ勝ち筋につながっています。どこに重点を置くかも大切になりそうです。手前にある建物は初めのうちにとると安いですが,どんどん値が上がっていきます。
得点の肝になるのが,かけ算で計算する5つのもの。マイボードには右から教会,造船所,冒険家,工場,植民地のマスがあります。ここに有力者からの恩恵を受けると得点チップを置くことができ,最終的には,例えば教会なら,”建築した教会の数×得点チップの合計点”が勝利点に加算されるのです。全てを集めることは不可能なので,的を絞って集めに行き,数十点加算を狙いたいところです。
がんがん未知の世界へ航海を進めて冒険者を増やすか…しかし,道の海域に入ると船が1隻遭難してやられてしまいます。うーーん,有力者の恩恵を確実にためていくか…しかし,数に限りもあるし,労働者が一人犠牲になってしまいます。うーーん,植民地の産物の売却や工場での加工で儲けていくか…結構お金と人がかかります。また,売却と加工で産物の価値が上下します。
最初は一海域ずつしか進めなかった船も,喜望峰を回ると2海域進めるようになり,マラッカ海峡越えると3海域進めるようになり,長崎はもうすぐです。
東シナ海は荒れた海のようで,なんと3隻で進入し,2隻沈んでしまいます。自分の勝利点を計算しながら,誰が危険を冒して長崎を目指すか…長崎の海域へ入ると,あと1手番ずつ全員が行ってゲーム終了です。さあ,得点計算です。自分は教会で28点獲得し,勝てたかなと思っていたら,何と工場で36点取られてしまい,合計2点差で負けてしまいました。
これは面白いです!さすがにやることが複雑で,最初は手探り状態で始まりますが,数回回ると狙い所も見えてきて,自分がやりたいこともだんだんはっきりしてきます。未知の海域へ入ると船が減らされるのは,いかにも航海の厳しさが伝わってきます。各地の産物で儲けるのも,大航海時代そのものです。有力者がサポートしてくれるのもいかにもです。実際,わかってくると結構さくさく進めることができるので,今回3人のプレーで1時間ぐらいでした。お金と労働者が結構ぎりぎりなので,何でもかんでもたくさんできないところもちょうど良いバランスとなっていると思います。いろいろな要素が詰まっていても,わかりやすく間口の広いお勧めゲームです。
※2011.5
ナビゲーター(Navegador) ゲームデータ
○デザイン Mac Gerdts
○発 表 2010年
○メーカー Rio Grande Games
○2〜5人用 60〜90分
○難易度 高め
○ゲームストア・バネストで購入