こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
ニッポン:明治維新 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
プレーヤーは明治維新以降の4大財閥の一つとなって資本を投入し,国内外への影響力を増していきます。最も巨大な財閥となって成功を収めるのはどこでしょうか。3人でのプレー。
横長の日本列島のボードにワーカーなどを準備,各自もプレーヤーボードを持ち,必要なリソースなどを準備します。プレイの基本は,ボード上部のアクションスロットから,実行したいアクションのスロットにあるワーカーを取り除き,自分のボードに置いておき,必要なアクションをするという流れ。
自分のボードには,重要な3つのトラックが。白いのが技術知識レベル=工場の建築に,黄色が資本金レベル=お金がカツカツ,黒が石炭レベル=商品の生産に。これらを上げないと何にもできません。
アクションは全部で9種類。工場の建築や商品の生産,契約の達成や国内での影響力の増加などの他,さっきの知識や石炭のレベルを上げるアクションなどです。上にあるワーカーを取ってきてアクションをしますが,このワーカーの色がくせ者!できるだけ同じ色のワーカーを使っていかないと,後で大変なことになってしまいます!
ゲーム中の得点源が国内市場での影響力。3回の得点計算時に,各地域での影響力に応じて得点が入ります。生産した商品を供給して影響力を得ていきますが,これが事前に海外企業が影響力を持っていて(ボードの数字),プレーヤー間のみならず,海外企業にも勝っていかなくてはなりません。厳しいです。
商品の供給先は国内だけでなく海外にも。8枚の契約タイルを達成していくことで,得点や即時の現金ボーナスの他,自分の資本レベルを上げるという重要な役目もあり,こちらもおろそかにできません。商品を生産するのも大変なんですが,その商品をどう処理するか,悩ましい限り。
自分のボードには6個までのワーカーが置けますが,満杯でもう置けないときや,これ以上置きたくないときは,精算という別のアクションを行います。手持ちの資本と石炭を精算してトラックのレベルに応じて貰い直し,天皇の報酬タイルをもらった後,裏面にして,これまた得点に大きく関わる倍率タイルとなります。さらに,ここでワーカーの色がドーンとのしかかってきます。何と自分のボードに置いてあるワーカーの色ごとに,3000円の賃金が必要。資本は最低12000円しかないのに,もし3色もワーカーを取っていたら9000円もいるのです。
建築できる工場は6種類で,それぞれ1件しか建てることはできません。これも,それぞれ必要な知識レベルがあって,なかなか簡単には建てれませんが,建てると全部違ったボーナスもあり,どれを建てるか悩ましい限りです。
マイボードの手前が業績スペース。最後の得点計算の元です。2カ所を除いて,さっきの天皇の報酬で得た倍率タイルを置かないと0点です。倍率タイルは2倍から5倍まであるので,何倍をどこの業績に置くと良いのか,これまた難しい。基本点4点が2倍と5倍では全く違います。
さて,今回は自分は,その業績への倍率を間違えて失速,まったく刃が立たずの完敗。Shuが,国内地域への影響力や業績の倍率をうまく配置して圧勝となりました。
珍しい近代の日本をテーマにした一作。明治維新といっても,財閥の経済活動に的を絞った重厚な経済ゲームになっています。プレイのシステムは難しくなく,言ってみればワーカー・プレイスメントならぬ,ワーカー・リムーブメント。後の支払いを考えるとワーカーは2色までにしたいところですが,どうしてもというときには思い切って3色目も取りたくなります。リソース全てがカツカツなので,何を優先していくのか,どの得点要素を重要視するのか,しっかりと計画的にしていかないと,得点が伸びません。徐々に拡大していく感じや,もっとプレイしたいというところで終盤を迎えるところなど,満足度も高いです。あと,今回自分は力を入れず,Shuが力を入れたのが,鉄道と造船。これらも地域での影響力争いに大きく関わります。今度はどうしてみようかとあれこれ考えてしまう,リプレイ欲も高いです。
※2015.11.15
ニッポン:明治維新(Nippon) ゲームデータ
○デザイン Nuno Bizarro Sentieiro/Paulo Soledade
○発 表 2015年
○メーカー What's Your Game?
○2〜4人用 約90分
○難易度 やや重め
○What's Your Game?から購入