こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
オルレアン ☆☆☆☆☆☆☆☆
中世フランスのオルレアン,各地域での影響力を高め,様々な職業の人々の能力をうまく使って得点を得ます。二人でのプレー。
一見ごちゃごちゃした感じで難しそうかなと思ってしまうようなボードですが,ボードにできることはシンプル。マイボードの市場に初期の働き手4枚のチップを置き,中央にゲームボードを広げて,自分の駒をオルレアンに置いたら準備完了。
このゲームの肝はいろいろな職業の人たちのチップを使ってアクションをしていくこと。ゲームボードの左側は,手に入れることができる人物チップのための発展トラックになっています。チップを取ってトラックを進んで良いこともあってという感じ。
マップの方は,各地の都市を結ぶ陸路や水路があり,いろいろな産物がランダムに置かれています。人物チップを使って各地を回り,産物を手に入れたり商館を建てたりしていきます。
で,一番の考えどころが自分のボード。手持ちの人物チップをやりたいアクションに応じたマスに置いて,そのアクションができるようになります。さっきの人物チップを手に入れたり,自分の駒を移動させたり・・・。まずは全員一斉に市場のチップをアクションマスに置き,後は1アクションずつ順番に進めていきます。
面白いのがチップの扱い方。アクションとして使ったチップと,アクションによって手に入れたチップはこの黒い袋に全て投入。次のラウンドの最初に,規定の枚数のチップを袋からランダムに引いて自分の市場に置き,そのチップが使える人物チップとなります。なので,欲しいチップが出てくるかどうかは運頼みのところもあり,だんだんチップが増えてくると,欲しいチップが出てくる確率も減り,まるでドミニオンのカードのようでもあります。どこかでチップ構築ゲームだとありましたが,まさにそんな雰囲気。
駒の移動後に置ける商館は重要。最後の得点計算のかけ算の一方の数値になります。当然多いほどかけ算はいいわけで・・・。
真ん中のボードは最初こそあまり出番はありませんが,徐々に取り合いも激しくなる慈善事業のボード。ここに人物チップを派遣すると,もう手元には戻りません。つまり不要な自分のチップを破棄して,チップの数を圧縮できる場所。ここに置くことによるボーナスもあるので,中盤以降自分の人物チップの構成をどうしていくか悩ましいところです。
自分のボードの土地を広げる,発展ポイントを上げて最後のかけ算のもう一方の数値を上げる,袋から引く数を増やす,など多彩なアクションを計画しては,実行しながらチップを増やし,また圧縮しと,18ラウンドに渡って繰り返し(そういえばラウンドごとにイベントも起こり,良いことや悪いことがありました)勝敗を決します。相方とここまで3ゲームプレイして1勝2敗、良い勝負です。
18ラウンドも,という感じもしますが,前半は人物チップも少なくサッサと進んで行きます。その前半にどの人物チップを集めてどんな作戦で行くか方針を固めていく感じです。早めに引けるチップを増やすのか,自分のボードを広げてアクションマスを増やすのか,発展ポイントは,ジョーカー扱いの修道僧は・・・,いろんなことができるので悩ましさもひとしおですが,必要なチップが袋から引けないと後手後手になってしまいます。中盤以降はアクションで使わないチップをうまく慈善事業に送り込み圧縮していく楽しさもあります。マイボードへのチップの配置に悩むものの,後は決まったことをしていくだけなので,実際のところ長さを感じさせません。なかなかのオススメの一作です。
※2015.8.4
オルレアン(Orléans) ゲームデータ
○デザイン Reiner Stockhausen
○発 表 2014年
○メーカー dlp games
○2〜4人用 約60分
○難易度 中ぐらい
○ゲームストア・バネストで購入