こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう

ボードゲームレビュー

ペロポネソス　☆☆☆☆☆☆☆　

ここは紀元前1000年のペロポネソス半島，数ある文明の中で最も，偉大で優れた文明を目指します。

３人でのプレー。ランダムに自分の文明が決まります。今回はピロス。各自文明に応じた初期の資源や人口，手番順が決まっており，自分のプレーヤーボード上にマーカーでチェックします。中央には，第１ラウンドの建物や土地タイルが並び，災害タイルも準備します。いざ勝負。

タイルの獲得は競りです。各タイルには最低入札額が記されており，その額以上で入札します。先に置いてある額以上を乗せれば権利を奪えます。奪われた方は，このゲームでは金額の上積みができないので，入札できる他へ回るかパスすることに。また，下の段の２枚は，確実に自分だけ取れますが，＋３枚のお金が必要です。最初は一番右の土地タイルに２枚でビッドしたのに青に邪魔され，中央の建物タイルをとるはめに・・・。

取ったタイルは建物タイルは文明タイルの左に，土地タイルは右に並べていきます。タイルは取った瞬間に一時収入(ここでは人口２人）があります。建物は正式に持つには建築資源が必要ですが，そのうち出てくる供給アイコンのタイルが出てきたときに建築する保証としてコイン１枚置いておきます。さらに最後に収入として，タイルの右下にある資源などと人口に応じたお金をもらえます。ここでは石１，麦１と２金なり。

さらに毎回災害チップ２枚がめくられ，災害タイルに乗っていきます。これが３枚になると・・・。困ったことが起きますが，幸い今回最初の災害が衰退で，誰もまだこの贅沢品は持っていないので影響なし。

中盤に一度供給アイコンがついたタイルが出てくると，供給ラウンドになり，人口数と同じだけ麦を支払い，足りないと人口減！，建てていなかった建物を建築，できないと取り除かれる，という途中決算があります。その後後半にももう一度供給ラウンドが控えています。土地タイルの配置の規制＝(最初を除き)左側のタイルにある資源が含まれているタイルしか置けない，で苦しみ木材ばかり大量生産に。ただし，木材のチャートのオーバー分は贅沢品になり，別の使い方ができるので，これはこれで良かったような・・・。我が文明は森林に囲まれた美しい文明かも。

ここでの災害は干魃。麦の三分の一が失われるという痛い災害。最後の食料足りるでしょうか。隣の大嵐は最後のラウンドで起こることが確定しています。土地タイル１枚に付き麦と１金払うというこれも厳しい災害になりそう。

そして全て終了。木材の大量生産によって贅沢品がたくさん手に入ったので，麦の足りない分を補うこともでき，何も失わずに済みました。さて，得点計算ですが，人口×３点か，タイルの得点とお金の得点のどちらか少ない方が最終得点になるのです(どこかで聞いたような方法ですね)。結局人口３９点，タイルとお金２９点で，２９点が勝負でしたが，２点差で何とかかわし見事にペロポネソスに偉大な文明を築き上げることができたのでした。

分かりやすい競りを使った，手軽にタイル配置の楽しさを味わえる好ゲームです。競りはタイル毎に最低入札額が決まっているので分かりやすく，金額を上げることもできないので，簡単に勝負がつきます。土地タイルは資源を十分に供給し，建物タイルは特殊効果で効果を発揮しますが，どちらも得点になります。どのタイルを取って，どのように自分の文明を発展させていくか，悩ましく楽しめます。最終得点が２種類のどちらか低い方になっていますが，普通にプレーしていけばどちらもそれなりに伸びていきます。わずか８ラウンドで終わってしまう中で，そこそこ戦略的なことも考えながら，自分の前のタイルが伸びていく楽しみを味わうことができる，幅広い層にお勧めできる一作です。拡張もいろいろあるのでそちらも楽しみにしています。
※2012.9.4

ペロポネソス（Peloponnes）　ゲームデータ

○デザイン　Bernd Eisenstein
○発　　表　2009年
○メーカー　Irongames
○１〜５人用　約45分
○難易度　　中ぐらい
○テンデイズ・ゲームズで購入