ボードゲームレビュー


ポルターファス ☆☆☆☆☆☆☆ 

 飲み屋の主人と飲んべえな客の粋な戦い?客が欲しいだけ飲めるか,主人がまんまと客をあしらうか,互いの熱き駆け引きの始まりです。

ポルターファス

 6人でプレー。手番のプレーヤーが飲み屋の主となって,本日の酒(樽に見かけた駒)をカップに入れて振ってドンと置きます。すると,いくつかは立ちます。というか,この写真のように一発目でこんなにたってしまったけど,後にも先にも一度にこんなに立ったことはありません。

ポルターファス

 ここはもう次の手番ですが,今回は数字の樽が2個と特別な樽が1個だけ立っています。この段階で他のプレーヤーは,強は何倍酒を飲みたいか,全員がカードを伏せて出して意思表示。

ポルターファス

 で,そこからが飲み屋の主の思案のしどころ。もっと樽を振って提供する酒を増やすか,それともこれで打ち切りにするか。

ポルターファス

 主が打ち切りにしたときの数字の合計が,プレーヤーの出したカードの数字の合計以下なら,全員に酒を出し,プレーヤーは出したカードの数字が得点,主は残った数字が得点。

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 もし,主が提供する酒の量より,出したカードの合計の方が大きいと,主は怒って酒を提供せずに全部自分で飲んでしまって,提供した分の得点を1人で獲得。最も欲張りな客はマイナス点になってしまうという。

ポルターファス

 だったら,主は振り直しなどしないで,さっさとやめてしまえばよさそうなものですが,そこは欲の張り合い。点数との兼ね合いや互いの読み合いで,そうは簡単にはいきません。

ポルターファス

 特殊な茶色いの樽もあって,目を倍にする効果と,どれか目をなしにしてしまう効果もあり,その使い方で合計も大きく変わってきます。

ポルターファス

 ということで誰かが75点取ったら終わりなんですが,欲張りすぎてマイナスを喰らったり,主がでかい目勝負をしすぎて自爆したりと,それぞれの性格も表れてなかなか面白い展開になりました。一回目は,手探り状態で自分が抜けきり勝利。二回目は,女主人Emiさんが,回りを惑わし?得点を稼いで見事な勝利でした。

 いったい主はもっと樽をふるのか,振らないのか。振るならたくさん飲めるようにカードを出したいし,振らないなら小さくすませないといけない。主としては,みんなが小さそうなら,大きな目になるように振りたいし,時にはさっと引いて,大きなマイナス点を与えたいと,場面場面に応じていろいろな思惑が,いくつにも重なって悩ましいことこの上ない感じです。性格の読み合いや裏をかいたりする楽しさは,気心のしれた仲間をわいわいプレーするのが一番のようです。絶妙なバランスの樽もさすが,Zochの制作ですね。読み合いだまし合い的なゲームの中ではお勧めです。
※2014.2.22

ポルターファス(Polterfass) ゲームデータ

ポルターファス
○デザイン Andreas Schmidt
○発  表 2013年
○メーカー Zoch
○2〜6人用 約20分
○難易度  やや軽め
○ゲームストア・バネストで購入