ボードゲームレビュー


ポンペイ ☆☆☆☆☆☆☆

 AD79年,ヴェスヴィオス火山の大噴火で,麓の都市ポンペイが溶岩に飲み込まれてしまいます。このゲームでは,前半がポンペイの繁栄,後半が噴火からの脱出です。いかにしてたくさんの自分の駒を脱出させることができるのか。

ポンペイ

 ボードはポンペイの都市,奥に火山がどっしり立っています。4人でのプレイ。各自30個の人々の駒をもってスタート。

ポンペイ

 前半はカードをプレイしながら,自分の駒を都市の建物に配置していきます。後半のことも考えて,出口に近い逃げやすそうなところに置いていきたいところ・・・。

ポンペイ

 カードは,置ける建物の色と番号が書かれているので,どこでも好きなところへ置ける訳ではありません。

ポンペイ

 一度AD79のカードが捲られると,もう1枚AD79のカードが出るまでの間,駒を置いた場所の状況に合わせて複数の駒を置けるようになります。ここで,たくさん自分の駒を置くようにしないと勝負になりません。また,予兆のカードが出ると,早くも都市の人々が1個また1個と偶発的な火山の噴火にやられて火山の中に放り込まれてしまいます。

ポンペイ

 そして大噴火が始まります。最初に問答無用に6枚の溶岩タイルが置かれていき,そこにいた駒は早くも火山の中に・・・。

ポンペイ

 その後は,タイルを引いて配置,自分の駒を2個移動を繰り返し,できるだけ多くの駒を出口に向かって逃がします。駒の移動数は,最初いたマスの駒の合計数というのも悩ましいところ。

ポンペイ

 どんどん溶岩が広がり,次々と駒は死に・・・。結果,Shuhくんが10個の駒を逃がして勝利,自分は8個で2位に終わりました。

 ゲームのテーマとプレイ感が,実にマッチしている秀作。テーマがテーマだけに,結構ブラックというか,悲劇的というか,この出来事を象徴する様子がうまく再現されています。前半,たくさんの駒を置いていき,ポンペイの繁栄を表し,噴火以降は逃げ惑う人々の悲劇を表し,火山に投げ込まれた駒が痛々しい限りです。溶岩タイルの引き運や,手番順にかなりの運要素もありますが,ポンペイの人々の悲劇をワイワイ言いながら,大いに盛り上がる定番ともいえる一作です。
 自分のバージョンは,2013年のセカンド・エディションですが,AD79のカードが2枚になり,ゲームの準備が楽になったほか,両面タイルが追加され,配置時に面を選ぶことができるようになっています。また,プレイ人数による使用するコマの数が変更されています。 ※2016.4.21

ポンペイ(The Downfall of Pompeii) ゲームデータ

ポンペイ
○デザイン Klaus-Jürgen Wrede
○発  表 2004年/2013年
○メーカー Mayfair Games
○2〜4人用 約45分
○難易度  中ぐらい
○AmazonUSAで購入