ボードゲームレビュー


ピラミディオン ☆☆☆☆☆☆ 

 ピラミッドを建設しようではなく,建設のための資材を船に乗せて運ぼう,というゲーム。エジプトのいろいろな場所から資材を調達し,船に乗せることで得点を獲得します。

ピラミディオン

 8カ所の現場のタイルを並べ,毎ラウンド何らかの資材が加えられていきます。要するにそれをうまく確保すればいいのです。得点源となる船のカードを5枚並べ,細かな資材のチップなどを用意。3人でのプレー。

ピラミディオン

 3人なので毎ラウンド6カ所の現場が発動します。その6カ所に対し,手札9枚を駆使して競りのようにプレーし,各現場での優位を決めていきます。1ラウンド6カ所すべて終わるまで,手札に戻らないので,どこで使うか,どこを捨てるかなど判断に悩むようになっています。

ピラミディオン

 発動された現場に対し,カードを1枚ずつプレーし,全員がパスしたら,現場への影響力,交渉力,商業力の3つについて比べて,最も合計の高いプレーヤーが権力を持ちます。ただし,現場タイルに示された最低の数値以上でなくてはなりません。

ピラミディオン

 影響力が高いと,後で船に資材を乗せるときに有利なことがあり,交渉力が高いとラウンドの最初に有利なことがあり,商業力が高いと,現場に乗っている資材チップ全て獲得できるのです。現場ごとに置かれている資材の中身も数も違うので,狙い所がかぶると厳しい競りの戦いにもなります。

ピラミディオン

 で,6カ所の現場の発動が終わったら,手持ちの資材を船に乗せる番。これだけチップがあれば5点の船に乗せて獲得できると言うこと。船の獲得はチップを全て用意して一度に処理しなくてはならないし,手番順なので欲しい船が先に取られてしまうこともしばしば・・・。さらに,さっきの影響力で一番だったチップがのっている現場の資材を無料で船に乗せることもできて,このあたりの見通しや判断も結構重要でした。

ピラミディオン

 時にはこんな反乱のカードもあります。これが出ると反乱トークンが現場に置かれて,その数値以上に影響力を持っていないと,その現場にプレーしたカード全て無効という厳しい事態もありました。

ピラミディオン

 そんなラウンドを何回か行い,ルールブック上は誰かが10点越えたら終了でしたが,それでは直ぐに終わってしまいそうだったので,毎ラウンド準備するカード6枚分をプレーして勝敗を決めることにしました。残念ながら船は4艘しか出航できず,得点も伸びずに最下位。効率よく資材を集めたり,影響力を駆使したりできずに終わってしまいました。

 誰もが愛するエジプトをテーマにした雰囲気のあるゲームです。プレーしたカードの数値で競りを行い,大きい数値のプレーヤーのみ,各現場に何らかのアクションができるという流れになっていますが,その数値も3種類あり,ちょっとごちゃごちゃしていてすっきりさに欠ける印象もあります。処理したり確認したりすることが多く,ゲームの雰囲気に没頭できないというか,どこか惜しい,もう少しスマートにプレーできると良かったのかなと思いました。
※2013.10.21

ピラミディオン(Pyramidion) ゲームデータ

ピラミディオン
○デザイン Yannick Gervais
○発  表 2012年
○メーカー White Goblin Games
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○アークライトで購入