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ボードゲームレビュー
ロココの仕立屋 ☆☆☆☆☆☆☆☆
ロココの時代を彷彿とさせる美しいボード。そんな時代の舞踏会の衣装の仕立て屋稼業を営み,配下の職人を使って美しく高級な衣装を仕立てます。最高の名誉を手に入れるためには,舞踏会への投資も必要。
ということで期待の新作を4人でプレイ。ボードは舞踏会の建物を模しています。布地を仕入れたり,新しい職人を雇ったり,衣装を仕立てたり,ちょっと投資をして喜んでもらったりとやることは多そうですが。
プレイの基本は手札から。最初は全員同じ5枚の職人を持ちますが,職人にもレベルがあって,何でもできる親方からできることが限られる見習いまで3種類。だれを何に使うか。5枚から3枚を選んで手札に持ち,そこからスタートです。
衣装作りの基本は,生地の仕入れ→仕立てです。カードをプレイして生地や糸類を購入(基本早いほど高い)し,生地に見合う衣装を選んで仕立てて,舞踏会へ。舞踏会へ仕立てた衣装を配置すると基本の得点が最後に入ります。
仕立てた衣装をどこに置くかも重要。それぞれの部屋にはちょっとしたボーナスがある枠もあったり,親方が仕立てた衣装しか置けない枠もあったり,最後に各部屋での優勢力で得点が入ったりと。自分が仕立てた印のマーカーを置いて判別していきます。
写真に全然取れませんでしたが,もう一つこのゲームの重要な柱が,デッキ構築です。最初の5人の職人だけではとても無理で,新しい職人を雇っていく必要があります。親方だけが新しい職人を雇えますが,雇ったら即手札に入れてそのラウンドに使えるので,うまく購入して相手より多めのアクションもできることがあります。毎ラウンド使える3枚の手札が足りなくなると捨て札を戻して,そこから選びます(ランダムではない)。どのカードをどのラウンドで生かしていくか,そのあたりの戦略も必要なのが良いですね。
投資も放っておくわけにはいかず,噴水に投資するとラウンドごとにちょっとしたお金や得点が入るし,彫像や音楽家,花火などどれもそれ相応の効果があって,悩ましい限りです。部屋ごとの優勢も考えなくてはならないし・・・。
ゲームは7ラウンドで終了。基本の仕立てた衣装の得点の他に,部屋ごとの優勢点などの付加価値の得点を加えて勝負。ここは自分が要所をうまく押さえて勝利を収めました。
この間のコンコルディアもそうだったけど,カードを回していく感覚,所謂デッキ構築の要素を使いながら,先を見通してプレイしていくのが今風といった感じ。特にこのロココでは,いらないと思ったカードは王宮への派遣という形で減らすこともできるので,思い切った圧縮も必要かもしれません。プレイするほどにいろいろ楽しめそうです。雰囲気抜群の美しいボードに,衣装を仕立てるという分かりやすいテーマや複雑すぎない程度の悩ましさ満載で最近のヒット作です。
※2014.3.1
ロココの仕立屋(Rococo) ゲームデータ
○デザイン Matthias Cramer / Louis Malz / Stefan Malz
○発 表 2013年
○メーカー Pegasus Spiele
○2〜5人用 約90分
○難易度 やや高め
○i-OGMで購入