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ボードゲームレビュー
サマルカンド ☆☆☆☆☆☆☆
中東を行き交う商人となり,各地の部族と親戚となったり,縁組みをさせたりしながら,点在する商品を獲得し,地域の最有力者となろう!ラクダの駒が連なる趣たっぷりのゲームです。
初期配置はこんな感じ。中東各地に有力な勝利点の源となる商品の産出拠点が点在しています。また,地域の有力な10の部族の拠点も見えます。この部族たちと良い関係となラクダのキャラバン隊を使って商品の権利を得ていくわけです。
最初の商品カード2枚と10ディラハムの現金を元に作戦を練ります。手番にやることは,持参金を払ってどこかの部族と縁組みするか,その部族のラクダを使って商隊を伸ばしていくかです。まずは,どこかの部族と縁組みしないと進みません。とりあえずは最初の手札の商品に近い部族と親戚になるのがオーソドックスでしょう。
16の商品(パピルス)に近い緑の部族(エジプト)と縁組みすることにしました。持参金3ディルハムを支払い,部族のタイル1枚獲得します。持参金は地域の中心部の部族は高く,周辺部の部族は安くなっています。
縁組みしたら新たに3枚の商品カードを引き,不要なら2枚まで捨てることができます。プレー人数によって,手札の制限枚数が決まっているので何でもかんでも持っているわけにはいきません。今後の拡張予定を考えながら必要な商品カードを残しておきます。
値が張りましたが6ディルハム支払い,19の商品(クミン)に近い,ピンクの部族(ペルシャ)とも縁組みをしました。もう1ディルハムしか残っていません。現金が入るのは商品カードを売ってしまう(後での得点にならない)か,部族同士の縁組みをしたときだけです。
さて,次の手番では現金もないので,縁組みはできず,ラクダキャラバンを出発させます。ピンクのラクダを部族の拠点からつながるように配置します。19のクミンがある場所にラクダを置き,商品チップを取ります。このチップは後で1勝利点となります。
さて,現金と勝利点を獲得できる大事なアクションが縁組み。ある部族のラクダがいる地域へ,別の部族のラクダ置かれたら,めでたく二つの部族は縁組みをします。ここで二つの部族の親戚タイルを持っていると,条件によって1〜4ディルハムを得,2枚の縁組みチップ(=2勝利点)を得ます。ここでは,ピンクのラクダが青のラクダの場所に着いたのでそれらの処理が行われます。ただし,実は商品のある場所で縁組みした方がお得なんですが,とにかく急場の現金が必要で…
こうしてあちこちの部族からラクダのキャラバン隊が伸び,商品を獲得したり,縁組みしたりされていきます。一番良いのは,この場合,ピンク(ペルシャ)と黒(フン族)と親戚になってタイルを持っていて,19のクミンのカードを持っていると,最後に8点を獲得できるのです。何カ所かで8点獲得できる状態ができれば非常に有利に進むのは間違いありません。
ゲームの終了は意外と早く起こります。まだまだこれからだ,というときに,誰かが部族の縁組みをさせて,全ての部族が1回以上縁組みをするか,ある部族が5回縁組みをするとそこで終了!
最終得点計算は少し手間がかかります。すべての商品カードについて,置かれているラクダの部族のタイルを持っているかどうかで一つ一つ計算していきます。さっきのようにうまくいくと8点,最低でも1点,また,獲得した各チップが1点ずつと現金1ディルハムもそのまま1点で合計点の多いプレーヤーが勝利!
これはなかなかの好ゲーム。砂漠のラクダのキャラバンの雰囲気が好きな自分には高評価です。最初はよくわからなくて,入りにくいかなとも思いましたが,実は非常に明快なことが途中から分かってきます。30分ぐらいで終了するのに,十分雰囲気が味わえるのも良いところです。隊列を組んで商品を獲得するだけでなく,各部族との縁組みが関わっているのもあまり目にしないスタイルで面白いですね。ただ,難点はセットアップが少し面倒なのと,最後に得点計算の時間がかかることでしょうか。いずれにしても,重くて長時間ゲームが苦手な人にも,砂漠の隊商の雰囲気をしっかり味わって楽しめるタイトルです
※2011.8
サマルカンド(Samarkand) ゲームデータ
○デザイン David V.H. Peters / Harry Wu
○発 表 2010年
○メーカー Queen Games
○2〜5人用 約30分
○難易度 中
○ファミリーゲームズで購入