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ボードゲームレビュー
サンチアゴ・デ・クーバ ☆☆☆☆☆☆☆
キューバ第二の都市,サンチアゴでうまく立ち回り,賢く商品を売買して稼ぎましょう。知略と戦略を駆使して最も勝利点を手にした者が勝者です。今回は二人での対戦。
小さめのボードに,キューバやハバナと同じイラストによるデザイン。キューバの重厚な雰囲気と比べると,ずいぶん軽めの感じ。ボードには,いろいろ手伝ってくれる人物と,何かと役に立つ建物がランダムに並びます。基本の目的は,ぐるりと町を巡って商品を確保し,船を使って輸出すること。船に乗ってるダイスが商品の需要を示しています。
手番には,車を時計回りに移動させながら,必要とする人物の援助を受けます。一マス進むのは無料,二マス目からは1ペソずつ必要と,ロンデルシステムのような感じ。ただし駒は1個だけです。ジョセに止まって,サトウキビ2個を確保。
人物のタイルには4色のバラが描かれており,その色の建物に行って効果を使うことができます。葉巻工場でタバコを葉巻に。この建物は例外を除いて同じものを連続して使えません。
こうして人物の援助を受けたり,建物の効果を使って町を一周してくるのです。建物の効果で商品を売って勝利点を早めに確保することもできます。自分の駒が乗っているは単に2ペソもらえる場所。赤の駒が乗っているのは港での売却価格を操作できる場所。
車が港に止まると配達ラウンドです。手持ちの商品を1種類ずつ順番に売却できます。売った分,ダイスの目が減っていくので早い者勝ちです。現在の価格は4に跳ね上がっています。黒の葉巻を2個売って8ポイント獲得。すべてのダイスが0になると船が出航して,新しい船がやってきます。数字が残ると価格の変更があって,そのままです。ここでは,すべて売れて新しい船がきます。
現在3隻目の船が泊まっています。7隻目の船が出航するとゲーム終了です。本来,港での売却でどーんと売りたいのですが,途中の建物の効果で少し売ったり,需要のダイス目を0にできたりするので,豪快に売るという感覚がちょっともの足りません。船ごとに一種類は取り除かれていますし・・・。
4隻目。今回はどれも大きな数になっています。ここでしっかり売れると大きな点になるのですが,うまく売ったのは自分ではなく,赤の方。特にシトラス4個を一度に売られたのは痛かった。
建物にいくつか小さなチップがのっているのは,その建物を所有している印。人物の効果で所有でき,他のプレーヤーが使うと1勝利点とれるのです。どの建物を所有するかもどうも間違えました・・・。
そして,7隻目の船も出航し,ゲーム終了。集めた勝利点を数えますが・・・,確実に港で売りさばいた赤が勝利をかっさらっていきました。残念。
商品を売買して勝利点を稼ぐのですが,その道筋を人物の効果と建物の効果に集約して,簡単に楽しむことができるようになっています。使いたい人物や建物の効果を考えながら,商品のやりとりをするのは楽しいですね。ただ,道筋が割と単純なため,戦略的な深まりはあまりないように感じました。やり込みゲーマーには物足りないですが,こうしたゲームを始めるにはちょうどいいバランスの作品です。
※2012.5.10
サンチアゴ・デ・クーバ(Santiago de Cuba) ゲームデータ
○デザイン Michael Rieneck
○発 表 2011年
○メーカー eggertspiele
○2〜4人用 約45分
○難易度 中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約21ユーロ)