ボードゲームレビュー


シープランド ☆☆☆☆☆☆ 

 シープランドは陽当たりのよい緑の草原が広がり, 青々とした森と立派な山々が聳える島です。羊飼いたちは,最もよい場所を求めて争います。羊たちを連れて移動し, 他の羊飼いの群れに入らないようにしなくてはなりません。最高の土地に最高の群れを持ち, 最も裕福な羊飼いになることができるでしょうか。(ルールブックより)

シープランド

 小さめのボードにきれいな島シープランド。いくつかの地域に区切られていて,羊が一頭ずついます。お金や土地タイルなどを準備してスタート。3人でのプレー。手持ちのお金は20ダブロンでゲーム中は増えません。

シープランド

手番には3つのアクションができます。羊飼い(自分の駒)の移動,羊の移動,土地タイルの購入(投資)から3つ。羊はある区画から隣の区画へ自分の駒をまたいで移動させます。羊をある地形の区画に移動させ,その区画にたくさん投資していると最後に得点が高くなるのです。

シープランド

また,手番の最初に黒ダイスを振り,黒羊がその目の方向へ移動していきます。こいつは最後羊2頭分の点数になるので有利に動いてほしいものですが,序盤こそあちこち移動するものの,後半は柵でふさがれ動けなくなっていきます。

シープランド

羊飼い(自分の駒)は,道に沿って動きます。隣なら無料,それ以外は1ダブロン必要。さらに,もといた場所に柵が置かれます。柵があると羊の移動もできなくなり,ゲームが進むにつれ移動することが難しくなってきます。羊をどこに貯めていくかなかなか悩ましいところ。

シープランド

さらに重要なのがこの土地タイル。島の土地の地形に投資していきます。このタイルが最初の1枚は無料ですが,その後は1ダブロンずつ高くなっていきます。お金は最初の20ダブロンだけなので,お金の使い方も重要。

シープランド

だんだんヒツジたちが囲われていきます。最終的に持っている地形のタイルにいる羊の数が,その土地タイル毎の得点になるので,自分が集めている地形タイルに羊をたくさん追い込んでいきたいのです。

シープランド

ゲーム後半,こうなると草原地帯や山岳地帯,サバンナ地帯が有利。このサバンナ地帯のタイルが確保できなくて厳しくなりました。

シープランド

通常の柵を使い切るとラスト・ラウンド。人の穀倉地帯の羊を移動するのに専念していたら,何と森林の羊が1頭にされてしまいました。

シープランド

結果,森林に残された羊は1頭,草原地帯と山岳地帯はそれなりに点数を得ましたが,サバンナで高得点を得た青にはかなわず敗退でした。

見た目もかわいらしく,きれいなデザインで30分程度の時間で楽しめる一見お手軽なゲームで,実際プレイそのものは難しくありません。しかし,勝つために考えることは結構難しく,一度のプレーでは,まだまだ分からない。そんな奥深さも持っています。基本的な戦略は,自分が投資する地形の区画にできるだけ羊を集めることですが,当然相手も羊を移動していくので,取り合いになります。前半は自由に移動できたものが,だんだん柵に阻まれ移動場所が限定されていきます。羊がある程度固まってから土地タイルを獲得できれば効率的とはいえ,だんだんタイルは高くなっていくし,先に取られてしまっては元も子もありません。3ダブロン使ってタイルを買ってもそこに羊が3頭以上いないと得にはなりません。羊の追い込みとタイルの購入での駆け引きが中々に悩ましい,パズル的雰囲気を持った佳作といったところでしょうか。
※2013.1.18

シープランド(Sheepland) ゲームデータ

シープランド
○デザイン Simone Luciani/Daniele Tascini
○発  表 2012年
○メーカー Cranio Creations
○2〜4人用 約30分
○難易度  中ぐらい
○ドイツ・アマゾンで購入(約21ユーロ)