ボードゲームレビュー


タージ・マハル ☆☆☆☆☆☆☆ 

18世紀初頭のインド,有力なマハラジャとなり,都市から都市へと勢力の拡大を目指しましょう。最も成功して影響力ポイントを獲得した者が勝者です。

タージ・マハル

3人でのプレー。ボードはいくつかのエリアに分かれ,それぞれ4つずつの都市を持ちます。12カ所のエリアにエリアタイルが置かれ,いくつかの砦にはボーナスタイルも置かれます。1のエリアから順番に勢力拡大を図っていきます。手札6枚と場札5枚を準備してスタート。

タージ・マハル

手札にはいろいろな絵が描かれていますが,その絵の数で場の優位を決定していきます。例えば,象はエリアの権力と経済的収入,人は各都市での指導力,ムガールは宮殿といった感じ。ある色のカードを出したらそのターンは同じ色のカードを出さなくてはいけません。白と特殊カードは例外。

タージ・マハル

基本1回の手番で出せるのは1枚です。(白や特殊カードを1枚のみ組み合わせるのはOK)まずは紫のカードで,象2,将軍2のカードをプレイ。プレイとしてはカードを出すか,もうやめて離脱するかの二択です。この離脱のタイミングが悩ましいです。

タージ・マハル

離脱時にカード上の絵柄の数が最も多いと,その支配権を取ったことになります。ここでは,2枚目のカードを出した後の3ターン目で,離脱することにしました。この段階で,青はすでに離脱しておりカードはありません。左の赤のカードとの勝負のみになるのです。将軍と僧侶で優位に立ち,タイルを獲得し,エリア内の都市に宮殿を置きます。エリア内に宮殿があるので1点獲得です。このように,自分が離脱を決めたときの絵柄の数で支配力が決まるので,他の動向を見て少なくても勝っていればさっと離脱したり,相手と同数などで優位に立てない場合はもう少し数をプレーしたり,誰かが離脱してカードが減ってから残りをもらえるようにしたりと,なかなかに考えさせられます。しかも,カードの補充は離脱順で2枚ずつ。最後は1枚のみという厳しさ。

タージ・マハル

エリアタイルの番号順に進みます。3エリア目。象4のカードで勝負。象で勝つと,エリアタイルを獲得でき,そこの産物の得点も得ることができます。また,将軍や僧侶などのタイルが2枚たまると特殊カードをもらえ,有利な手番ができます。ここは1巡目だれも象4を越えることがなく,直ぐ離脱してエリアタイルだけ取りました。

タージ・マハル

5エリア目に突入。エリアをまたいで自分の都市がつながっているとその得点も加算されるので,どこに宮殿を置くかも考えないといけません。ボーナスタイルを取るか,都市の繋がりをとるか・・・。エリアの産物は累積的に点数が入るので同じ産物が取れると得点も増えます。ボーナスタイルの産物もいっしょです。

タージ・マハル

9エリア目。各エリア,宮殿で賑やかになっています。ムガールで優位になると,都市に2個目の宮殿を置くことができます。都市をつなげるために,ポイントになることもありそうです。ここまで若干青がリードしていますが。

タージ・マハル

最後12エリア目。早めの離脱で4点のボーナスタイルを獲得,都市の繋がりでもうまく点を稼ぎ,最後は1点差で見事勝利することができました。

カードを使った陣取り的なゲームですが,自分でどこで離脱して何を攻めるか,非常に悩ましく密度の濃い時間を過ごせる優れた作品です。手札が少なく,しかもカードは4色もあるので,そんなに自由にカードを足して優位に立つことはできません。いかに少なめにカードをプレイしてうまく離脱できるか,相手のカードとの駆け引きが楽しいです。ジョーカーになる白のカードも手番に1枚だけ足せるのでその効果も大きく,相手をがっかりさせたり,また自分ががっくりしたり。産物の累積点が大きいので,同じ産物があるエリアタイルをどれだけ取れるか象の数が一番白熱する戦いになりました。最後まできわどい戦いが楽しめるお勧めの1本です。
※2011.10.25

タージ・マハル(Taj Mahal) ゲームデータ

タージ・マハル
○デザイン Reiner Knizia
○発  表 2000年
○メーカー Rio Grande Games
○3〜5人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○オークションで購入