ボードゲームレビュー


テーベの東 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

エジプトだ,ギリシャだ・・・。古代の遺跡を掘って素晴らしいお宝を見つけよう!しかし,発掘は十分な研究に忍耐と時間が必要,時には砂しか掘れないときもあるのです。

テーベの東

4人でのプレ−。2年間を使って研究や発掘を行い,より多くの勝利点を獲得します。マップにはヨーロッパの各年や発掘現場となる5カ所の遺跡が。全員ワルシャワからスタートです。

テーベの東

年の移動は基本1週間。使った週の分だけトラックを駒が移動します。移動や発掘で多くの週を掛けると前に進みますが,手番が遅くなります。このゲームの最大の特徴がそれ。手番は,常に後ろのプレーヤーから。ですから,少しの週で済むことを重ねれば連続手番もあります。しかし,だからといって小さいことだけちまちましていても勝てません。

テーベの東

たいてい前半は発掘の準備となる研究が中心。いろいろな都市を訪れ,発掘を有利に進めるための知識などを集めます。今,自分が集めているのは,クレタとメソポタミアの知識。この知識の本の数が多いほど後の発掘の楽しみが大きくなります。

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そうしたカードは,右上の4枚のカードから選びます。そのカードが示す都市に移動(何週間かかかる),そしてカードの知識などを取得(何週間かかかる)という感じ。スコップのカードが見えてますが,これは発掘で有利にできる効果のある結構おいしいカード。

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そろそろ1年目も半年に近くなり,みんな発掘の方にも気が向きかけています。まだまだ知識が高いとは言えませんが,そろそろ遺跡を目指したくなる頃です。写真を取り忘れてますが,発掘は左に半分見えるダイヤルによって規模が決まります。自分が持っているその遺跡の知識(本の数や追加のアイテム)と何週間掛けるかによって,いくつのタイルを引くことができるか決まるのです。そう,できればたくさんの週を使って数多く発掘したいところ。

テーベの東

で,クレタに行き,待望の発掘をしました。その遺跡の袋から指定の個数を手に取っていくつ宝が見つかるかの運試しです。これが最高におもしろい!はっきり言って運ですが,それでも袋に手を入れて駒を取り出すときの興奮はまさに発掘現場。なかなか良いお宝が出てこないのも雰囲気に溢れています。なお,発掘後に砂のタイルだけは袋に戻すので,だんだん砂の率が高くなるのもいい感じです。

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結果,お宝3個,追加の知識1個,あとは砂・・・。その後メソポタミアも発掘して4個のお宝を獲得。宝には得点がついていて,1点から大きいと7点などというものも。青の人の絵がある知識は使い捨てで,この発掘の後捨て札に。本の方は保持します。こうして,1年が過ぎ,2年目へと入ります。今回,4人プレ−で2年なので,あまりあちこちの遺跡とよくばりをせず,1年目はクレタとメソポタミアに絞りました。

テーベの東

右家がエジプトの発掘中ですが,砂ばかり・・・。こういう展開も盛り上がりますし,少ない発掘で見事に高得点のお宝を得たときも大いに盛り上がります。得点の基本はこの発掘による宝ですが,それ以外に,この右家が狙っていたのが,学会というカード。各地で学会を開く=そのカードを集める=と,カードの枚数で得点が伸びていくのです。運の発掘とは違い,枚数が増えると確実に得点が伸びるので,1人に取られすぎないようにすることも必要。

テーベの東

もう一つの得点源が展示会のカード。横向きのカードがボードの左下にあります。自分が持っている宝の種類と数によって,その都市での展覧会を開くことができます。これらも確実に4点5点となるので確保しておきたいもの。自分も何とか2カ所の展覧会を開くことができました。2年目はギリシャ・エジプトでそこそこ稼ぎ,特にエジプトでは神の手のごとくナイスな発掘に成功!ついでにペルシャもちょっとだけやってみましたが,そこは全然だめでした。こうして2年の研究発掘が終了。何と学会で稼いでいた右家と同点勝利でした!

何度プレーしても楽しい大好きな作品です。宝探しの運試しが嫌いな人には評価も低いようですが,それこそ発掘の醍醐味であってワクワクします。持っている知識と掛ける日数で取ることができる枚数が大きく変わるので,プレイする人の性格なども表れ盛り上がります。また,逆に発掘に至るまでの知識の確保などでは手札をにらんでの綿密な作戦も要求されます。自分が使った週の数で手番も決まるというシステムも秀逸です。ゲームのテーマとプレイ感が非常によくマッチした素晴らしい1本です。
※2012.2.5

テーベの東(Jenseits Von Theben) ゲームデータ

テーベの東
○デザイン Peter Prinz
○発  表 2007年
○メーカー Queen Games
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○すごろくやで購入