ボードゲームレビュー


トロワ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 

フランスの裕福な一族となって,思う存分影響力を行使しよう。そして,人々を雇用してトロワの大聖堂の建築に寄与したりさまざまな活動をしたりして勝利点を稼ぎ名誉を勝ち取りましょう。

トロワ

ボードはこんな感じ。絵柄の雰囲気もよく,たくさんの要素があって少々複雑。アクションカード置き場に,イベントカード置き場,人間駒を置く建物,ダイスを置くスペースなど。たくさんのダイスが鍵になります。今回は3人プレイで。

トロワ

最初に,ゲームの最後に勝利点を支援してくれる人物を1人得ます。この人は,影響点を最後に勝利点に結びつけてくれる人。影響点15点を確保したいところ。この人物は6人いて,それぞれ勝利点獲得の条件が違います。お金や駒,カードなどの条件があり,ゲーム中に他のプレーヤーの狙いが見えてくる場合も。といっても,あまり妨害的なことはできませんが。

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初期配置として,手持ちの5つの人間駒を,3つの建物に置きます。この駒の数が振ることができて自分のものとなるダイスの数を決めます。3ラウンドに渡ってアクションカードが順番に公開されます。お金と人間駒が必要ですが,一度置いておくと,使い方次第でとても強力。

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赤2個,黄2個,白1個のダイスを振ってこの結果。あとのアクションで,この目を使います。基本はやはり大きな目の方がやれることが多いです。全員がダイスを振って,ボード中央の各自の広場に置きます。

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下に並んでいる黒っぽいカードはイベントカード。必ず起こる敵の襲来や,ほとんどがプレーヤーに不利になるようなイベントが発生します。ラウンドのアクションの際にこのイベントカードに対処して片付けないと,ボードをはみ出してもずーっと影響を与え続けます。黒のダイスが敵の襲撃の強さを示し,手番順に,自分のダイスの目を使って迎撃します。1こ迎撃すると1影響点入るので,可能なら複数迎撃して影響点を手に入れることもできます。ただし,迎撃できないと勝利点を失う厳しさもあります。

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さて,メインとなるアクションは,ダイスの目を使って行います。お金を出せば,人のダイスを買って自分のものとして使うこともできます。活動カードの人物が働けるようにすることが一つ(カードの活性化)。たとえば,これでは,鍛冶屋のカードに5ドゥニエを払い,自分の人間駒を置き,黄色のダイスの数÷3(緑が自分の黄のダイスでプレイするなら合計9÷3=3回分),鍛冶屋の効果(次のアクションで赤の目に+5できる)を使うことができるのです。また,置くと最後に勝利点も入ります。

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また,イベントカードにキューブの駒を置くことも。旗の分キューブを置くとイベントカードが処理され除かれます。置いた分影響点も入り,いっぱいになると勝利点も入ります。

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他には3つの建物に直接駒を置く(次に自分が振るダイスが増えます)や,大聖堂の建設のためにキューブ駒を置く(影響点と勝利点が入る),単純にお金に換えるができます。ゲームは勝利点を稼ぎ,支援してくれる人物の期待に応えて更に勝利点を上積みすることが目標ですから,ダイスの目をどのように組み合わせて,うまいアクションができるかがポイントです。お金に余裕があれば,他が使おうとしているダイスを先に購入してしまって,使ってしまうのも作戦の一つです。

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活動カードは各種類3枚だけで,最初の3回のラウンドで明らかになります。こうしたラウンドを5回行います。5ラウンド終了時に勝利点を計算,支援してくれる人物による得点(今回は影響力を点数にする人で,15影響力で6勝利点を獲得)も加算するなどして勝負。45点で勝ったかなと思ったら,向かいのオレンジが何と47点!ガーーン,また惜敗…

これはかなりおもしろいです。最初にプレイしたときは,ルールで間違えていたところもあり,初めてで複雑な要素もあったので,ゲームにやらされている感じがありましたが,2回目はルールも正しく処理し,進め方もある程度分かったので,楽しく濃密な時間を過ごすことができました。最終的に勝つために勝利点チップを獲得するのですが,そのための道筋はいろいろあってとても悩ましいところです。自分のためになる1人の人物の存在も,各プレーヤーの方向性に微妙に影響していてちょっとしたアクセントになっています。ダイスの目そのものはもちろん運ですが,それを使う部分ではかなり戦略性も求められるので,ダイスの運だからと言うことはあまり感じさせません。ゲーム慣れしていない人がいきなり始めるには少し難易度が高いですが,難しすぎない複雑なゲームもやってみたいと思ったら是非お試しあれ!お奨めです!
※2011.6

トロワ(Troyes) ゲームデータ

トロワ
○デザイン Sebastien Dujardin / Xavier Georges / Alain Orban
○発  表 2010年
○メーカー Pearl Games
○2〜4人用 約90分
○難易度  やや高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約28ユーロ)