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ボードゲームレビュー
ツォルキン:マヤの暦 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
マヤの暦に合わせたツォルキンの歯車が一周する27ラウンドの間に,マヤ族の民となって食料を生産したり,建物を建てたり,神殿に祈りを捧げたり,聖地に髑髏を捧げたりして勝利点を授かりましょう。大きな歯車が一周したとき最も点を得るのはどの民でしょうか?
セットするだけでワクワク感が高まるボード。暦を表す大きな歯車と,いろいろなアクションができる5つの歯車が組み合わさっています。ランダムな4枚から選んだ2枚を使って初期資源などを獲得。最初の労働者駒3個を手にしていざ勝負。今回は3人でのプレーなので,ルールに従ってダミー労働者駒が6個置かれていて,これらは動きません。
複雑そうに見えるゲームですが,手番にできることは二択,労働者駒を歯車の規定の位置に置くか,置いてある駒を取ってそのアクションを行うかです。要するにワーカープレイスメントの発展系といったところ。
駒を置くにも制限があって,置く個数が増えればコストが跳ね上がるし,置く場所によってはそれ自体にコストがかかります。コストはトウモロコシ,トウモロコシは途中で必要な食料の支払いにも使うので最も重要な資源といったところ。3人の手番が終わると暦が反時計回りに1個分動き,労働者駒の位置がずれていく仕組み。良くできています。歯車は,主に食料などを手に入れる場,主に石や金などの資源を手に入れる場,技術レベルや建築をする場,トウモロコシを活用する場,髑髏を捧げる聖域になっていて,基本は手番の時にある位置の駒を取ったらそこのアクションができるようになっています。基本,我慢して駒を何ラウンドか起き続けるとアクションの中身が強くなっていくので,駒を置くか取るかを,しっかり考えないと無駄なラウンドができてしまいます。
中央のマスは技術レベルを上げるトラック。結構コストもかかるのでなかなか手が回りませんが,自分のやりたいことに応じて必要なレベルはしっかり上げることが大切。上の方は,神殿。ここも実はとても大切なんだと今更ながらに思う始末。今度は是非神殿レベルをメインにしたプレーをしてみたいものです。
下に並んでいるのが,下の段が建物でプレーを楽にしてくれる数々。特に食料の支払いを楽にする建物は必須ですね。上の段がモニュメントで,最後に得点化できるものが多く並んでいます。結構な資源が必要で簡単には立ちませんが,今回青のshuに最後に強力なモニュメントを建てられたのがきつかったのです。
聖域に髑髏を捧げるのは得点が高いので狙っていましたが,ここだけ歯車が大きく,最高の13点にするにはかなり時間が掛かってしまい,1個駒が動かせないのと同じになってしまいました。13点は大きいけど,この悩ましさ難しさがいいですね。
3人分食料を無しにする建物を建築し,食料の支払いが少し楽になりました。後は高得点が狙えるモニュメントが建設できれば言うこと無しだったのですが。
残念なことに手持ちのコマ数で得点できるモニュメントを先に取られてしまい,木材のチップを得点化するものしか建築できず,たいした上乗せができないまま終盤になってしまいました。
結局モニュメントの得点差が響いて9点差で及ばず。もう少し神殿のレベルをあげることも考えておけばよかったかもしれません。
さすが話題の作品だけあります。3人で70分程度,4人でも90分程度で濃密な時を過ごせます。駒を置くだけ,取るだけという流れも効いていて,手持ちの駒や食料を計算しながら作戦を練っていかないと,もったいないラウンドができてしまいます。得点を上げるためにやれることが多くて,27ラウンドもあると,いろいろできそうに思ってしまいますが,アクションとして行動できるのは,駒を取るときだけなので,およそ半分程度,全てを網羅して得点を上げるのは無理。やはり的を絞っていかないといけません。聖域の髑髏か,神殿の信仰レベルか,モニュメントに賭けるか・・・,プレーする度に様々な思いを巡らせて戦いを味わえる素晴らしい作品です。
※2013.10.1
ツォルキン:マヤの暦(Tzolk'in Der Maya-Kalender) ゲームデータ
○デザイン Simone Luciani / Daniele Tascini
○発 表 2012年
○メーカー Czech Games Edition
○2〜4人用 約90分
○難易度 やや高め
○ゲームストア・バネストで購入