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ボードゲームレビュー
バヌアツ ☆☆☆☆☆☆☆
プレイヤーはバヌアツ諸島を繁栄させようとします。このために、プレイヤーは魚を捕らえて売り、沈んだ財宝を回収し、砂絵を描き、売店を作り、観光客を輸送し、原産品を買って輸出します。そしてゲームの8ラウンドを通して、できるだけ多くの繁栄点を得るために寄付をします。(ルールブックより)
最初は中心の島と回りの海3タイルが明らかになっているだけ。ボードや各自の駒などを用意してスタート。今回は5人いっぱいでのプレーです。
最初にいろいろ助けてくれる人物カードを順番に取っていきます。この後のアクションを有利に進めることができる人物たちです。自分は魚を釣ったら通常得られない得点ももらえる人物を確保。後で釣りを使用という計画です。
さて,そのアクションですが,9つあり,船を動かす,漁をする,売店を建てるなどなど。やりたいアクションに手持ちの駒5つを2・2・1の3回に分けて手番順に置いていきます。そして所謂競りの形で優位が決まりできることが決まってくるようになっています。
ですから,だれがどんなアクションをするつもりなのか,自分の手番でこのアクションはできるようになるのかなど,非常に難しい選択をしながら駒を置いていかないといけません。駒2個あった赤が船の移動をしたので,残りの駒1個の手番にはそれぞれ船の移動ができます。船を魚がいるところへ移動して,次は漁。漁は自分は2個置いて優位なので,いつでも実行可能といった具合。
手元に来た魚のチップは後々,売店を使って3倍から1倍の価格で売ることができます。お金は結構キツキツなので,アクションに必要なお金を確保していくのも大変です。また,さっきの人物の効果で魚を捕ったら即2点の得点も入りました。
ラウンド毎に新たなタイルが2枚明らかになり,海や島が広がっていきます。新たな資源も生み出されます。ここでは船を移動し,難破船の宝を広ったり,売店を建ててさっきの魚を売ったりするアクションを計画して駒を置いていきました。人物タイルは船の移動が無料でできるものを選び,コスト削減。
だんだんマップも広がっていき,新しい海や島が増えていきます。逆に昔の海にはもう資源がありません。島の資源は空になったら補充されますが,それまでは減っていくだけです。やれることも厳しくなっていき,アクション選びも熾烈になっていきます。このあたりからアクションができない手番がでてきました。これが,このゲームの意地悪できついシステムです。手番時にどこのアクションも優位になっていないと,その手番は飛ばされ,そればかりかどこかのアクションの駒を撤収しなくてはならなくなります。プレーヤー間のアクション順によっては,何もできないまま飛ばされるという辛い状態になってしまいます。
最終的には得点勝負。大きな得点になるのは,島の資源の出荷をうまくやることと,島に建設した売店と観光客の数による得点。自分は資源勝負,kuruさんやemiさんは売店&観光客勝負が中心でいい戦いになりましたが,最後何とか自分が制して勝利。
のどかな南太平洋の島国で争われる,全然のどかではない,ちょっと意地悪なアクション選択システムが,相当に好みを分けそうです。その選択システム故,一見先手が有利そうですが,そうとも限らないことも。うまくいけば先手番のアクションを封じることも可能で,そうした人の手番をつぶす可能性があるところで,ゲームをする人も選びそうです。ただし,それを除けば,楽しく南国で漁をしたり,資源を売ったり,観光客を呼び込んだりといったアクションを組み合わせてお金や得点を稼ぐ明るいゲームです。厳しい手番選択と組み合わせてこその作品であるとも言えるかもしれません。気心知れた仲間と是非どうぞ。
※2013.3.23
バヌアツ(Vanuatu) ゲームデータ
○デザイン Alain Epron
○発 表 2011年
○メーカー Huch!&friends
○3〜5人用 約90分
○難易度 やや高め
○ドイツ・アマゾンで購入(約30ユーロ)