ボードゲームレビュー


ビュア・ネビュラ ☆☆☆☆☆☆☆

 ネビュラの谷は,霧に住む怪物による長きにわたる暗黒の時代を抜け出したばかりです。資源を開拓し,廃墟の遺跡に新たな建物と街を建設するのです。

ビュア・ネビュラ

 3人でのプレイ。ネビュラの谷のボードと個人ボードを準備。個人ボードは基本コンポーネント置き場に過ぎませんが,草原タイルだけは,使っていくと下から得点が表れます。配置ルールに従って,開拓トークンや資源を谷のボードに配置してスタート。

ビュア・ネビュラ

 アクションの一つが職人の配置。手持ちの職人コマを開拓トークンがある場所に置き,トークンを取ります。これは得点にもなります。規定の資源もその場所に置きます。資源は自分だけでなくみんなのものになるのがミソ。

ビュア・ネビュラ

 このゲームちょっとした協力も必要。そのため,結構近い場所で開拓トークンを取り合い,資源を生み出すことが多いです。その方があとあと便利だけど,後手が良い思いすることもあるのが悩ましい。

ビュア・ネビュラ

 建設現場の確保。空いている遺跡に置きます。3人プレイなのでヘックスを半分ずつ使います。自分1人で2カ所でも他のプレーヤーと一カ所ずつでもオッケー。

ビュア・ネビュラ

 建設現場への資源の輸送。ここが,このゲームの一番のポイントでは。ルールに従って霧に覆われた土地に草原タイルを置きながら,輸送通路を確保していきます。これも全員の道なので,互いにどう使うか使わせないか,協力するかしないか,全く何もない草原しか通過できないので,思惑が入り乱れるところです。手持ちのまたはボード上の請負カードにある資源を運んでその建物を建設するのが目的。

ビュア・ネビュラ

 前半は,協力しつつも,自分が有利になるように草原タイルを置いて資源の輸送をがんばる感じ。残っている資源も障害になって通れないとか,自分が草原を置くと後手番がそれを使って先を越されるとか。

ビュア・ネビュラ ビュア・ネビュラ

 請負カードには必要な資源と建てた時の得点,さらにその時だけ有効な特別アクションも描かれています。無事資源を運んだら建物コマと交換して完成。これを5つ建てるのが最終目的。

ビュア・ネビュラ

 個人ボード上の草原タイルを使っていくと一番下から探検家が現れます。これが2点あるので,たくさん草原も置きたい。職人コマは2個しかないので,資源を取って手元に戻すことも考えます。建築時に使えなかった資源や開拓したのにボードに残ってしまった資源は失点にもなります。

ビュア・ネビュラ

 後半は,草原も随所に広がり,資源もなくなっていくのでかなり遠くからでも資源を運んで建設ができる場合もあります。終盤は一気にスピードアップしてゲーム終了へ。ここでは,自分が開拓タイルの数で大きく勝り,何とか勝利を得ました。

 大御所ワレスの作ですが,重厚な他の作品に比べれば随分軽く,一時間程度でプレイできる作品です。置かれる資源や輸送路となる草原タイルが共用なので,微妙な協力関係もでてきます。一面協力しながら,反面出し抜くことも考えて進めていくのが面白いですね。特に後半は輸送路も大きく広がってくるので,自分の一手が後手番に有利になってしまうこともあり,どのアクションを選択していくのか悩ましいです。タイル配置やピックアップ&デリバリー,資源管理など要素はいろいろあるものの,軽く仕上がっているので,気軽に楽しめる良い作品です。
※2017.1.7

ビュア・ネビュラ(Via Nebula) ゲームデータ

ビュア・ネビュラ
○デザイン MArtin Wallace
○発  表 2016年
○メーカー Space Cowboys
○2〜4人用 約60分
○難易度  中ぐらい
○Spiel Offensiveで購入