こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
村の人生 ☆☆☆☆☆☆☆☆
とある村の人々の生活をシミュレートしよう。買い物したり,旅行に行ったり,教会でミサをしたり・・・。そして,一生を終えれば村の歴史に名が刻まれるのです。
村の全体を表したボードに,各自の農園ボード。最初の家族は4人です。村ではいろいろなことをして過ごします。
四角いキューブが毎ラウンドランダムに置かれ,その場所のキューブを取って,必要ならアクションを行うのが流れ。中央の馬車がいるマスが穀物を入手できる場所。通常穀物2袋分手に入ります。取ったキューブは自分の農園に置いて後からのアクションに使えます。穀物もあとあと使えます。
このあたりは各種職場。同様にキューブを取ったらアクションができます。手持ちの駒を置いて働いて必要な道具などを入手してもいいし,集めた素材を払って入手してもいいのです。ここは事務所で訓練して巻物を入手。訓練と生産で4マス分の人生の年月を使います。自分の農園ボードの人生マーカーを4つ進めます。このマーカーが一周すると一人の一生が終わるのです。赤と青は厩舎で家畜を手に入れるようです。手前の教会は村人を教会のミサへ送り込みます。
教会のキューブを取ったら,人生2マスか茶色のキューブを使ってこの黒い袋に村人を投入します。ラウンド終了後のミサで運が良ければ教会に貢献できますが・・・。
ラウンド終了後のミサは,黒い袋から4つの駒を取り出します。お金を払えば自分の駒を選んで出せますが,そうでなければ引き運です。もともと4つの僧侶駒が入っているので自分の駒が出ないことも。自分の駒が出たら教会に配置します。教会は貴重な得点源です。
ここは,評議員会。スタートプレーヤを取ったり,駒や道具類を入手できるここも貴重な場所。ゲーム終了後の得点源にもなります。一度はスタートプレーヤになろうとここへ置きました。
ここは村の外へ出ての旅行です。車や必要な人生時間と資源を払って旅に出ます。全部で6カ所の旅行先があり,訪れた箇所の数で最後に得点になります。今回,自分はここは制覇しようと力を入れました。全制覇で18点です。
こうして村の生活を楽しんでいても,時は流れ,一人二人とその一生を全うして死を迎えます。人生マーカーが一周する度に,番号の小さい村人(=年長者)から死を迎え,村の記録に残されていきます。ここも最後大きな得点源なので,村人の死を恐れてばかりでは勝てません。ここがいっぱいになると得点にはならない普通のお墓に入ります。どちらかがいっぱいになったらゲーム終了なのです。今,自分は農園から一人,職場から一人が死して村の記録に載っています。3人ゲームなので4ある場所は使われません。
奥の方のタイルが並んでいる場所は市場。必要な道具類を売却して得点タイルを手に入れます。今回赤はこの市場で徹底的に稼ぐ戦略でした。自分はあまり力を入れず,その都度可能なら購入するという進め方で行きました。
ボードに置かれたキューブ=3人プレイでは毎ラウンド21個のキューブが置かれます。=が全て取られるとラウンド終了し,さっきの教会のミサが行われます。教会に最も多くの駒があると毎ラウンド2点獲得でき,今回は教会にも力を入れて,地道な点数稼ぎもしました。そして,毎ラウンドほぼ最後まで残るのが黒いキューブ。これは病気キューブで,何かの資源にはなりません。しかも病気で人生マーカー2マス進んでしまうのです。ただ,その場のアクションはできるので「病気も使いよう」といったところもあります。
そして最後,村の記録が埋まる前に共同墓地の方が埋まりゲーム終了。青は,バランスよく点を確保し,自分は前半のリードと旅行の点数,教会の点数で青は上回りましたが,何と赤の市場の得点タイルがすさまじく,2点差で抜かれて敗れてしまいました。大接戦。もう一人村の記録に入っていれば・・・・。
何とも穏やかなテーマの中でゆったりと時が流れ,村人が人生を進めていくという,とても味わい深くて好きな作品です。決して激しい戦いがあるわけではなく,他のプレーヤーとの直接的な絡みもあまりない方ですが,ワーカープレイスメント的な流れで進めていく手番での駆け引きは,悩ましく集中して楽しめます。単純になりそうな流れを市場や教会のアクションに変化を持たせてあって良いです。勝ち筋はいろいろあり,ゲームの度にどこをメインにして勝利を目指すか楽しむことができる,まさに家族で,じっくり楽しむには絶好の作品です。
※2012.3.30
村の人生(Village) ゲームデータ
○デザイン Inka Brand / Markus Brand
○発 表 2011年
○メーカー Pegasus Spiele
○2〜4人用 約75分
○難易度 中ぐらい
○Spiele Offensiveで購入(約30ユーロ)