こんなに素晴らしいドイツのボードゲームをみんなで楽しみましょう
ボードゲームレビュー
雲南 ☆☆☆☆☆☆☆
お茶を運ぶ商人となって中国各地へ売り歩きます。しっかり準備を整え、相手を蹴落とし、さらに監督官にはごまをすり・・・、より多くのお茶を運び莫大な利益を上げることを目指します。3人でのプレー。
渋めの系統のボードを用意。最初の自分の商人駒は3人だけ、資本金もごくわずかです。
前半は、お茶の運搬前の準備期間といった趣。運搬をできるだけ有利にするためのボーナス争奪戦です。商人駒を増やしたり、行動範囲を伸ばしたりするために、自分の商人駒でビッドしていきます。5元や7元の場所は、9元以上で賭けられると一度撤退しなくてはなりませんが、9元以上なら全員がそのアクションができるという仕組み。また、ここで使った商人駒は運搬業務には使えなくなるので、最初のたった3人、たった9元で、厳しい取り合いと・・・。ビッドに使わない駒はプーアールの市場に置いて運搬に使います。
さて,向かうは遙か彼方のチベットかその先の青海か,なんて到底無理で最初はせいぜい雲南か四川程度。自分の移動範囲や移動力を使って商人駒を配置。また,いろいろ役立つ建物も配置できます。その結果で収入を得て,それをお金や得点に振り分けて次のラウンドへ。
競りの建物は,商人を増やす,移動力を増やす,移動範囲を伸ばす,影響力を高める,建物を取るまたは,銀行で資金を得るという中身,どれも大事で段々と激しい場所取りに。7元においても9元に置かれると撤収して,次は12元しか置けなくなってしまうので,結構激しい置き換えも起こります。移動力と影響力は最後の勝利点にも関係してきます。
影響力が高いと行った先の影響力が低いプレーヤーの駒を一つ,戻すことができます。ただし,あまり欲張ると監察官がやってきて,影響力があるプレーヤーの駒1個をプーアールまで飛ばされてしまうことも。それを防ぐ方法もあったり,行った先の贈り物をもらったり,ショートカットの橋を建てたりと結構いろいろ考えてやることを決めていかないといけません。
遠い地方ほど収入が大きく,その収入に応じて円い駒をいったん配置し,自分で自由にそれをお金と得点に振り分けます。当然最初の内は現金に,だんだん余裕が出てくれば勝利点へと言うのが普通?ゲームは誰かが80点取ると終了なので,後半は一気に得点化へと雪崩れ込んで終息に!
たぶん8ラウンドぐらいだったと思いますが,一気に数十点の得点を得て最終ラウンドに。基本点では青に及ばなかったものの,地道に稼いだ贈り物などの得点が効いて僅差でかわしての勝利を得ました。
渋めのボードが味わいのあるなかなか硬派な一作。前半の競りの配置のルールが効いていて,うまいこと安く取れることもあれば,後半は激しい駒の置き換えも起こるし,悩ましさも十分です。移動力と影響力の位置は勝利点にも大きく影響するので無視するわけにはいきません。また,後半の商人駒の移動は,手番順もあるし,後で駒を戻されてしまうこともあるので,地域ごとの状況を見極めながらの戦いが求められなかなか難しさもあります。5,6ラウンド目ぐらいまでのじりじりとした流れの中で突入時期を見極め,稼いだ数値を一気に得点化して80点越えに持って行くダイナミックさが爽快なゲーマーズ・ゲームです。3人でこれなので,5人だと相当厳しそう!
※2014.9.28
雲南(Yunnan) ゲームデータ
○デザイン Aaron Haag
○発 表 2013年
○メーカー Argentum Verlag
○2〜5人用 約90分
○難易度 やや重め
○ゲームストア・バネストで購入