ボードゲームレビュー


 春秋戦国 ☆☆☆☆☆☆☆☆ 

 古代秦の時代,まだ一つではない各地域を統一し,帝国に貢献するという困難な任務を達成します。自らの権力を増しながら,宮殿や長城を建設したり,太守を任命したりして貢献度を高めましょう。

春秋戦国

 秦の時代の中国を模した横長のボードとその各地域での状況を示す自分のボードを用意。マイボードは特殊効果が違うB面もありますが,今回初プレーなのでA面で。

春秋戦国

 さて,基本はカードのプレイのみ。カードは毎ラウンド6枚が手札になります。色が3種類になっていて,カードの番号も決まっています。カード上の情報は,カードをプレイするそのものには関係なく,ある条件のもとで発動される効果を表していて,数字の大小も実は結構重要だったりします。

春秋戦国

 カードのプレイの仕方は二種類。まずは,自分のボードに差し込むアクション。使ったカードの色に応じて統一マーカー(ラウンドごとのご褒美に関係)をもらえたり,数が増えると騒乱駒という迷惑な駒が置かれたり。カードの上部の効果が見えるようにします。この効果はここでは関係なし。

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 もう一つのアクションがメインボード上にプレイすること。メインのアクションが6つあって,カードの情報に関係なく,どんなカードをプレイしても好きなアクションを実行することができます。

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 マイボード上は地図と同じ5つの地域に分かれていて,そこに高官駒や労働者タイルを置いたり,条件に応じて騒乱駒が置かれたり,そして,各地域の上にカードが最大3枚まで差し込まれ,メインアクションによってカード上の特典を得たりすることができます。高官駒や労働者タイルの配置と騒乱駒の状態,特典で何が起こるのか,細かい注意力が必要でなかなか難しいところです。

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 メインアクションは高官駒を入手,高官駒を使って太守を任命,労働者タイルを入手,タイルを使って宮殿や長城を建設,さらにマイボード上の高官駒の移動のアクションができます。ここで重要なのがプレイしたカードの数字が,選択したアクションによって,置いてあるカードの数字より大きいか小さいかで,マイボード上の特典を得ることができること。例えば太守を任命したければ,前のカードより小さい数字のカードをプレイすればマイボードの太守にかかる特典を得ることができるのです。

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 得点源は,太守,宮殿,長城です。太守は地域ごとの優劣で,長城は示されてる条件に応じて,宮殿だけは建てたときのマイボードにあるカードの枚数で得点が入ります。さらに,ゲームボードの右の端に記されている条件を達成することによる得点もあって,得点源が幅広いのでどの地域に何を優先して配置していくか,最終的なボーナス点もにらみながらプレイしないといけません。

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 こんな感じで駒が置かれていきます。太守でトップを取ると十数点の確保,宮殿の建設は10点前後,長城は配置場所と条件の達成によって1点から十数点まで,どこかの地域では太守のトップを取りたいところ。

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 5ラウンド終わって最終計算,青が太守で2カ所で単独トップになったのは,やはり大きかったようで,主にその点差で敗退。また,右端の目的による得点も条件をうまく達成できずに得点が伸びませんでした。

 カードをマイボードに挟むか,メインアクションをプレイしていくか,基本その二択ですが,一手一手にいろいろな影響があって悩みどころ満載です。カードをマイボードに挟むと統一マーカーがもらえ,その数によって結構おいしいご褒美がラウンドごとに手に入り,メインアクションによる特典にも影響するので,マイボードを充実させていくことも重要。どのあたりでバランスを取っていくと良いのか,たくさんある得点源のどこを狙っていくと良いのか,ゲームごとに変わる条件に応じてしっかりと見極めてプレイしないと無駄な一手ができてしまいます。かなりやり応えのある本格的ゲーマーズゲーム,それでいてそんなに長時間を感じさせないので,お気に入りの一作になっています。
※2015.5.23

春秋戦国(Zhanguo) ゲームデータ

春秋戦国
○デザイン Marco Canetta / Stefania Niccolini
○発  表 2014年
○メーカー What's Your Game?
○2〜4人用 約90分
○難易度  重め
○駿河屋で購入